正月デート
!) ・よく分からないけど現パロ ・紫ネズ、二人は同居してる ・学生…大学生くらい?のイメージ
「今日はどこの家も一日四食なのかな。ねぇ、ネズミ?」 「さあな。零時に蕎麦食う家庭がどれだけあるかだな」 「蕎麦屋さんは朝から行列らしいもんね。さっきニュースで言ってた」 「ふうん。まっ、あんたはおれの蕎麦が食えて幸せだと思えよ」 「うん。ありがと、ネズミ」
二人はリビングで紅白を観ながらネズミの作った年越し蕎麦を食べる。食べ終えると、その皿は紫苑が手早く洗って片付ける。
「さて、ネズミ」 「うん?」 「コート着て用意して。行くよ」 「は?どこに」 「神社に決まってるじゃないか」
正月デート
「ばっか、それこそ行列がすごくて凍えるだけだろ」
紫苑に手を引かれ家を出てきたはいいものの、ネズミは寒さに震え、家へ帰ろうと言い出す。
「あんたが急かすから、マフラー忘れちまったじゃんか。おれは、」
ゴーン。 除夜の鐘が、ネズミの言葉を遮る。
「なに?ネズミ」 「…おれは、帰る」 「えー、せっかくなのに、行こうよネズミ」 「何がせっかくなんだよ、っ」
ふわりと暖かいものにくるまれ、驚いてネズミは再び口をつぐむ。 紫苑の巻いていた、長めのマフラー。ほのかに彼の体温を帯びていて、あたたかい。
「ね、こうしてると、」
ネズミが巻いているのと反対側を自分も巻きつけ、紫苑はふふっと柔らかく笑う。
ゴーン。 その表情を見ていると、鐘の音まで優しく思えてくる。
暖かい笑顔を浮かべたまま紫苑は、手袋を忘れて冷たくなったネズミの手を取り、ダッフルコートのポケットに誘う。
「あったかいでしょ?ネズミ」 「…まあ、甘酒も配られるだろうしな。それに…」
こんな年越しも、わるくない。
鼻まで紫苑のマフラーに顔を埋め、ネズミはぼそりと呟く。
「ん、ネズミ?なにか言った?」 「いや、なんにも」 「そう?あっ、ネズミ、あそこ!甘酒だよ、貰いに行こう」
ネズミの手をポケットに突っ込んだまま、紫苑は走り出そうとする。
「おい待てよ、こけるだろ。急がなくてもなくなんないさ」 「だってネズミ、寒いんだろ?だから早く…」 「寒くない」 「え?」 「もう寒くないよ、紫苑」
あんたがいるからな。
寒さで赤くなった紫苑の耳に唇を近付けそう告げると、紫苑はもともと赤い耳をさらに赤くしてネズミから顔を逸らす。
「何だよ、こっち向けよ」 「えっ、いや、あの、ネズ、ネズミ」 「うん?なに?」 「…ありが、とう…って」
真っ赤な顔をマフラーに埋め、紫苑は照れる。 ネズミの笑い声が寒空にのぼる。
ゴーン。 除夜の鐘は変わらず、鐘の音を響かせていた。
紅白観ながら書いたから、なんか支離滅裂。 でもまあ、バカップル紫ネズ書きたかっただけなのでね、うぅむ。 2011年、ありがとうございました! 2012年もどうぞよろしくお願いいたします!!
タイトルは、巣さまよりお借りしました。
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