!)学園パラレル
・紫苑、ネズミ、沙布は高等部1年
・沙布は生徒会長
・「空に告白した夢を見た」の続き



羊雲が転々と浮かぶ、絵に描いたような青空の下、三人は弁当を平らげて賑やかに話していた。

「今の生徒会ったら、みんな教師の言いなりで木偶の坊なの。ひどいでしょ?」
「でももう沙布が会長なんだし、大丈夫だよ」
「だから、ねぇ紫苑、生徒会に入ってくれないかしら?」
「おいおいちょっと待てよ、紫苑はうちの演劇部がスカウトしてんの。横取りしないでくれる」
「じゃあぼく、生徒会の方に入ろうかな…」





ぽつんと呟く紫苑に、ネズミはさっと青ざめた。

「は?し、紫苑?」
「ネズミだって、ぼくには役者は向かないってさんざん言ってたじゃないか。でも書類の処理とか雑務なら得意だし」

逆に沙布は目を輝かせ両手を組み合わせて喜ぶ。

「まぁ紫苑、嬉しい!あなたが来てくれたら数倍、ううん数十倍仕事がはかどるわ!」
「なるほど、だったらおれも生徒会に入ろう」
「え、ネズミ、演劇部は?」
「掛け持ちできるだろ」
「あら、生徒会には勝手に入れないわよ?私が推薦状書かなきゃ」
一瞬、ネズミが黙りこむ。
そして、花が咲くような満面の0円スマイルを浮かべて言う。

「…推薦状を書いていただけませんか、沙布どの」
「いやよ」

ネズミの営業スマイルなどものともせず、ふふふと沙布は含み笑いをする。

「ただし、あなたがもし…」

沙布が何か条件を提示しようとした時、ネズミはさっと手を振った。
「シッ。静かに。誰か来る」

はっと、見回りの教員の存在に気がつく。

「沙布、今日の当番の先生は誰?」

紫苑は声を潜めて問う。

「確か…力河先生だったわ」

それを聞き、紫苑とネズミは顔を見合わせてニヤリと笑う。

「会長さん、あんたはあそこに隠れてな」

ネズミが太陽光発電のパネルを指し示す。
No.6学園で消費する電力の大半は、この太陽光発電でまかなわれている。

「ちょっとあなたたち、何を…」
「いいから沙布、早く」

紫苑にまで促され、しぶしぶ沙布は従う。
ネズミと紫苑はドア近くの壁に張り付いて待機する。

カツン、カツン、カツン。
のっそりとした足音が、階段をのぼってくる。
ガチャッ。

沙布の予言通り力河がドアを開けて現れる。
次の瞬間、紫苑がドアの脇から飛び出し、力河の両目を掌で覆う。

「うぉっ」

力河が間の抜けた声を上げた。
紫苑はちらりとネズミに目配せをし、ネズミも心得たようにそろりと音もなく力河の背後に回り込む。
すっと息を吸うと、その唇からまるで別人の声が出る。

「だーれだ?」

クスクス、とネズミは笑う。
その声も、普段の彼の声からは想像もつかない声音。透明な少女の笑い声。

チッ、と力河は舌打ちして頭を振る。

「どんだけ声をつくったって無駄だぞ。こんな真似すんのはネズミくらいだろうが」

はははっとネズミが笑い声をたてる。

「残念でした、外れです力河先生?もう一度チャンスを差し上げましょう。それでもわたくしが誰か、当てられなかったら…見逃してくださいますね?」

今度は低い、艶のある女の人の声。
うーん、と力河は考え込む。

「おまえ、おれをたばかっているな?」
「そんな、めっそうもない。降参しますか?」
「ああもう、くそっ、降参だ。はやく手をどけろ」

その様子を、パネルの影から伺っていた沙布は、呆れてそっとため息をついた。


えっ、紫苑だったのか!

はい、ぼくです。今回のゲームはネズミの勝ちですね!

おまっ、ちょっ、ネズミ!優等生を巻き込むんじゃない!…って、沙布!おまえまで何をしている!



べすと様からいただいたリク小説「空に告白した夢を見た」があまりにもお粗末だったので、勝手に続編を書かせていただきました。
紫苑とネズミは学園一の問題児コンビとして活躍してたらいいなぁと思ってます。
今回も結局、山もオチもなかったので、どうか脳内補完でお願いいたします!
こんな駄文で申し訳ありませんが、これからも迷路をよろしくお願いいたしますm(__)m

タイトルは、さまよりお借りしました。
ありがとうございました!
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