「見つけたわよ、そこの二人!」
「あ、沙布も一緒に食べる?お昼ごはん」
「あら、お気遣いありがとう紫苑。でもね、屋上は立ち入り禁止なのよ分かってるのあなた」
「お堅い事言いなさんな、生徒会長さん。あんたもここに立ってるってことは同罪さ」
「うるさいわね、この不良ネズミ!私の紫苑を巻き込まないでくれる」
「おれの紫苑なんだけど」
「なんですって」
「まぁまぁ二人とも、とりあえず食べようよ。お腹が空いてるからピリピリしちゃうんだ」

のほほんと笑う紫苑にほだされて、沙布はため息を吐きながらも屋上に腰を下ろした。





「…あなたたち、どうしてお弁当がお揃いなの?」
「あぁ、これは母さんが」
「火藍さんがおれにも作ってくれてね」

ふふん、と得意気なネズミの笑いが、沙布の手のなかの弁当をめざとく見つけてニヤニヤ笑いに変わる。
唇の端が僅かに持ち上がり、瞳にはからかいの色が浮かぶ。

「あれ?会長なんで屋上にちゃっかりしっかり弁当持ってきてるわけ?」
「こっ…これは!わたしは今日見回り当番なの!見回り終わったら適当に場所見つけて食べようと思って!」

別に、紫苑を探して一緒に食べようと思ってたわけじゃないんだから!ていうかあんたに言われたくないわよ…と沙布は心の中で叫ぶ。
沙布の動揺と染まった頬には気づかないまま、紫苑はへぇ、なんて感心している。

「見回りなんてあるんだ、沙布大変だね」
「えぇ、先生たちだけじゃ足りなくて、何故かわたしまで駆り出されてるのよね、ほんっと迷惑ったらないわ」

ネズミはその言葉を聞いて笑いを引っ込め、めんどくさそうに舌打ちをする。

「え、先公も見回るのか。おい、それを先に言えよ」

紫苑たちはつい先月、No.6学園高等部に入学したばかりで、ここの規則や内情に詳しくない。
一方沙布は、中等部からの秀才だったため、凡才ばかりの2、3年生を差し置いて入学早々生徒会長になっていた。
一年生のなかで、彼女は唯一の事情通だ。

「えぇ、屋上の見回りが強化されるみたいよ。だからほら、昼休みなのに貸切状態でしょ?先輩たちは逃げたのよ、きっと」

能天気なのはあなたたちだけね、と沙布はため息混じりに笑う。

「大丈夫だよ、沙布。まぁ、見つかっても謝ったらいいし」

紫苑は校則破りにまったく罪悪感を感じないようで、呑気に弁当を開いている。

「むしろ、青空の屋上を独占できて良かったよね。あ、沙布、母さんがこのマフィンを沙布に、って。ほら」

紫苑の笑顔に見とれ、沙布は思わず差し出されたマフィンを素直に受け取っていた。
だめだ、これでは屋上での昼食を容認してしまったも同然ではないか。

場所を移しましょう、と言おうと思った沙布だったが、紫苑はもう食事を始めている。
ネズミはといえば、こちらもすでに紫苑の右隣を陣取って火藍の弁当を口に運んでいた。

「うまい。あんたの母さんに感謝だ。うまいのはパンだけじゃないんだな」
「そう?ありがとう、母さん喜ぶよ」
「今度から料理も出して小さなレストランにすればいい。繁盛すること間違いなしだ」
「あはは、大変だろうけど、それいいね」

こんな会話をされると、いくら新鋭生徒会長であっても脱力してしまう。
それに、自分だけ出遅れるのもなんだか癪で、沙布は紫苑の左隣にすとんと座った。

「もうしらない!私も食べよーっと。あーお腹すいた」
「ん?沙布?なにか怒ってる?」
「なーんにも?あ、マフィンをどうもありがとう。どうぞお母さまによろしく」

きょとん、とする紫苑に呆れ、沙布はつんとそっぽを向く。
ネズミはその様子を見て肩を揺らして笑っていた。



34343hit、べすと様よりいただいたキリリクでした。
学園紫苑&ネズミ&沙布のちょっとハチャメチャな楽しいお話…という心躍るリクエストだったのですが…ごめんなさいネタもオチもないグダグダなお話になってしまいました!!(土下座)
紫苑の影が薄い上に、相変わらず口論ばかりのネズミと沙布でごめんなさい…反省します…。
でも私のなかでは、ネズミと沙布には賑やかに平和に喧嘩しててほしいなぁと。
喧嘩というか、紫苑の取り合いの攻防戦を…(笑)
原作ではネズミ、沙布に対して非常に紳士的なんですけども…。
あと、火藍さん公認ネズ紫(紫ネズ)だといいと思いまして、愛妻弁当ならぬ義母弁当を登場させてみました!ネズミは大得意^^
でも別に火藍が沙布を認めてないわけではなくて、「沙布のおばあさまの楽しみを私が奪ってしまってはいけないもの」って思って沙布には弁当は作らずマフィンをプレゼントしてる…ということで。…

なんだか後書きで語ってしまってごめんなさい!;
ちょっとこれ、あまりにも申し訳ないので、続編書きますね!
すみません、また少々お待ちくださいませ_(..*)_

素敵なタイトルは、さまよりお借りいたしました。
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