───……ドタドタドタッ!!
「ん…?」
廊下を走る音が、寝起きのオレの鼓膜を震わせ、オレは耳を塞ぐように、布団の中に潜り込んだ。
多分、遥架あたりが廊下を走ってるんだろう。
その音は、段々とオレが寝ている部屋に近づいてきて、スパーンッと音をたてて、障子が開かれた。
そして…
ボスンッ
布団に潜ったオレの体に、小さな衝撃が走った。
最初は軽かったその何かが、衝撃とともに、段々重たくなっていく。
不思議に思ったオレは、被っていた布団を捲った。
『………』
布団を捲ると、たくさんの大きな瞳と目が合った。
…いや、決して怪談的な意味でなくてね、
「柚ねーちゃん、しらないにーちゃんがねてるー」
「そのお兄ちゃんが私の新しい家族だよ?ほら、みんな早く降りないと、お兄ちゃん潰れるよ」
柚樹の声に、オレの上に乗っていた数人の子供が、一斉にオレの上から降りた。
軽くなった体を起こして周りを見渡すと、開いた扉の近くに、2、3歳ほどの女の子を抱いた柚樹が立っていた。
「おはよう、平助くん」
「ぉ、おはよ…。この子らは…?」
「昨日話した私の親戚だよ。朝一番の船で帰ってきたんだって」
『はじめましてー』
「ぁ、初めまして…」
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