あなたを愛す

「うーん···やっぱりまだ短いのかな」
洗面所の鏡に向かって数分間、私は自分の髪の毛で迷っていた
「何してるの?」
「あ、おはよう」
ひょっこりとコンウェイが鏡をのぞき込んできた
「戦闘で邪魔になるかと思って髪、結んでみようとと思って結んでみたけど短い毛が出てくるんだよね」
「君の結び方が変なんじゃないの?」
「うっ」
「ほらブラシとゴム貸して僕が結んであげる」
「うっ···男に髪を結ばれるのは屈辱」
しぶしぶブラシとゴムを手渡す
「うなだれる暇があったら頭あげなよ結び辛いだろ」
ブラシで髪を梳かれる
「人に髪をさわられるのって気持ちいい」
「そう?ボクには分からないね そもそもなんでやすやすと他人に自分の髪をさわらせられるのかが理解できない」
「コンウェイは他人じゃないからいいの」
「じゃあ、何?」
「···へへっ」
「きもちわるいよ」
ゴムをきつめに結ばれた
「はい終わり」
「おー」
だいぶきっちりと結ばれている 悔しいが自分で結んだときより大分綺麗だった
「ありがと」
「どういたしまして そういえばさっきアンジュさんが君のことを呼んでいたよ」
「本当?わかった、ちょっと行ってくる!」
アンジュのことだから多分買い物のことだろう

部屋を出るとアンジュが私を見止めて手を振った
「あ、見つけた!買い物に付き合って欲しいのだけど、いいかしら?」
「いいよ」
「助かるわ···あら、今日は髪型が違うのね?その髪飾りもかわいい」
「髪飾り?」
「このアイリスの花飾りのことよ、あなたにとても良く似合ってるわ 誰かからのプレゼント?」
「あー···うん そう」
そういえば洗面所を出るときに後ろで彼がやけにニヤニヤしていたがそういうことだったのかと今になって気が付いた
アンジュがふふっと笑った
「なんだか嬉しそうね よほど大切な人からなのかしら?」
「そ、そんなことより買い物行こ!」
手の平で頬を擦る 多分私の頬は真っ赤になってるだろう アンジュはまだ隣で微笑んでいる
買い物が終わったらすぐコンウェイのところに行こう
そう決めるとアンジュに聞いた

「黒髪に似合う髪飾りってどんなのがいいと思う?」




帰ったら彼の髪も結ってあげよう







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