こくごのせんせい

「コンウェイ、ここってどうやって発音するの?」
トライバース語の本を指差して発音が分からない部分を聞く
「あぁ、ここはこうやって発音するんだ」
コンウェイは流暢にその部分を発音した それを反芻してみるとそれを聞いたコンウェイが苦笑いをした
「全然駄目だね」
「う···トライバースの発音難しすぎるんだよ!」
「彼女の国の言葉にはない音があるから発音できないのも無理はないか···彼女が話せなくても僕がいるから大丈夫なのに」
「それでも、コンウェイが他の人と知らない言葉で話してるの見てると嫌」
「嫉妬してるの?」
首を縦に振る コンウェイはくすっと笑い私の頭を撫でる
「そっか、じゃあ正確に話せるようになってもらわないと困るな···発音の仕方を教えてあげるから、とりあえずここ座ったら?」
「本当!?ありがとうコンウェイ!」
そうお礼を言ってコンウェイの向かいに座る
さりげなく距離が近いことを意識してしまって少しどきっとした
「口を少し開けて」
「こう?」
言われた通りに口を開ける
そこにコンウェイの白くて細い指が入ってきた
「んっ···!」
驚いた目でコンウェイを見る コンウェイはいつもの微笑を浮かべて親指で私の舌を軽く抑えた
「うん、これでさっきのところ発音してみて」
拙い音が静かな部屋に響く だんだん恥ずかしくなってきて涙が出てきた コンウェイは楽しそうに目を細めている

私の喉に当てられている他の指が微かに動いてくすぐったくなってコンウェイの服を掴んで抗議するとやっと抑えていた指を抜いてくれた
「···コンウェイって意地悪だよね」
「何が?」
涙を拭くのも忘れてコンウェイを睨む コンウェイは罪悪感を微塵も感じてなさそうに小首をかしげて笑う そして私が持っていたトライバース語の本を取り上げて言った

「今日から毎日僕が教師になってあげるよ」







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