発露

「コンウェイ、好きだよ」
「知ってる」
自分が読んでいる本から視線を外さずに言う
「これはコンウェイでも照れると思ったのに···」
彼女が頬を膨らましているのが横目で分かる
ため息をついて彼女の方を見遣る
「いい加減諦めなよ」
「だってコンウェイが照れたところ見てみたいんだもん」

先程から彼女は何故か色々な手段を用いて僕の感情を乱そうとしてくる
恐らく僕が感情をほとんど表情に出さないからだろう
「君子供みたいだよ?もう、いい歳なんだから大人になりなよ」
「コンウェイと少ししか歳違わないよ!コンウェイもいい歳なんだから大人になって寛容になりなよ!」
彼女が腕を組んで髪をかき上げながら言う
それ、僕の真似のつもり?全然似てない
「···うるさい」
彼女の顔が真っ赤になった どうやら次はタコの真似のようだ
「もういい、こうなったら最終手段だ···覚えてなさいよ!」
まるでどこぞの雑魚の様な台詞をはいて部屋から出ていった

何故僕はあんな子供みたいな奴が好きなんだ いつも彼女に振り回されるのに
「···考えても仕方が無いか」
そう一人ごちるとまた本に目を落とした


何かくすぐったい感じがして目が覚めた 手の中には開きかけの本がある どうやら読書をしているうちに寝てしまったらしい
そういえばさっきからやけに腹部に重みがあるな···
遊びに来た猫だろうか 困ったものだ

猫を驚かせないように少しだけ体を起こしてみると、そこには猫ではなく猫の耳が生えた彼女が僕の上に乗っかって心地よさそうに眠っていた

はぁ!?と声が出そうになったのを何とか堪えて事態の把握を試みる
「さっき彼女が最終手段が···って言っていたのはこのことか」

僕の上で寝息をたてている彼女の頭には猫の耳を模したカチューシャが、スカートから見えるやけに肉感のある脚の上には柔らかそうなふさふさの尻尾が沿っていた
とりあえず猫耳をつまんでみる 本物よりも毛が硬い 人工物であることが良く分かる
こんなもので僕が動揺するとでも思ったのだろうか 本当に子供だ

すると僕が起きたことに気が付いたのか彼女が起きた 眠そうに目をこすりながら身体を起こす そして僕を認めると一瞬驚いた顔をして、すぐに顔を火照らせながらニヤニヤしはじめた
「コンウェイ!顔、まっか!」

そう言って僕の頬に触れた彼女の手は一層僕の熱を上昇させていった





コンウェイが好きだにゃー
うるさい!君は僕をどうしたいんだ!








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