「はいっ、兵長。今日お誕生日でしたよね？これプレゼントです！」
「……あぁ、覚えてたのか」
「もちろんですよー。おめでとうございますっ」
「開けてもいいのか」
「はい！ぜひ開けてやってください〜」
「………、これは、菓子…か？」
「はいっ！金平糖なんですけどね、このお店のがすっごくおいしいって有名なんです！だから兵長に食べてもらいたくって〜」
「…ほう」
「金平糖の専門店なんですよ〜」
「そうなのか」
「はい！ぜひ食べてみてください！」
「…なら頂こう」
「えへへ、どうぞどうぞ……ってわー！小袋開けただけで香りが！？香りが！なにこれすごいですね！うわぁ、すごい！かほりが！」
「……落ち着け。」
「だってすごくイイ匂い！」
「何だお前も食ったことないのか？」
「ないですよ！ だ、だって…これ、すごく……高級……(ごにょごにょ)」
「あ？」
「 え、っあ、いえ。何でもないです。とりあえず食べてみてください！」
「……お前も食うか？」
「ええーーーッ？！うそ！？そんな！いいんですか！？うわあっいやでも！ダメですよ食べたいっ！だってこれはリヴァイ兵長へのプレゼントなんですから食べたいー！」
「…本音が駄々漏れだぞ」
「くっ……！いやっ…そんな、でも…ほんと……うん……兵長が、召し上がってください……私は、いいです……それは全て兵長のものです……。」
「ああ。分かっている。これは俺のものだ。お前にどうこう言う権利はない。だから食え」
「……！？？」
「…ほら、食いたいんだろ。」
「え……でも……だって……！」
「早くしろ」
「いいんですか……！？(じゅるり)」
「さっさと食わねぇと全部売っぱらっちまうぞ」
「売っぱらう！？っい、頂きます！！」


可愛らしく色のついた金平糖を兵長の手から餌付けのように与えられ、口に含んだ瞬間、ほっぺがとろけた。


「っなにこれうまぁああぁぁ…！」
「うまいか」
「っいやもう！！おいしいです！！おいしすぎます！！なにこれ！？」
「そりゃよかった。」
「あれ！？ていうか私兵長よりも先に食べちゃってる！？なぜ！？(兵長のお誕生日なのに……！)」
「確かにうまいな。」
「ってあれ！？いつの間にか兵長も食べてる！？え、あ、おいしいですか！？」
「ああ。」
「わ、よかった！」
「食うのがもったいねぇくらいだ」
「ですよね！？これすごいですね！？どうやったらこんなふうに作れるんだろう……」
「残りはお茶でも飲みながらにするか。お前も食うだろ」
「え！？いや私はもう結構です！」
「他の味は食わなくていいのか？まだこんなにあるじゃねぇか」
「……。い、い…いぃるぁないです…」
「あ？」
「うっ…、だってそれは、兵長のお誕生日プレゼントですからっ……うぅっ…(食べたい…)」
「泣くほどか」
「きっと兵長に食べてもらった方が金平糖たちも喜びますうぅ……！」
「金平糖の気持ちなんざ知らん。俺はお前と食ったほうが気分がいいが」
「………えっ？ほんとですか？」
「……ああ。だからお前も俺と一緒に食え」
「っ……わ、わわー！わかりましたっ！ありがとうございます！」
「分かったらとっとと紅茶の用意をしろ」
「えへへ、は〜い！」
「……(いい顔で笑いやがって)」