「兵長お誕生日おめでとうございます!これプレゼントです!良かったら着て下さい!」
「何だ……服か?」
「服…… まぁそうですね!服(のようなもの)ですね!ぜひぜひ今着てみてください!」


兵長のお誕生日当日。間に合った。間に合ったぞ!

私は兵長にこれを渡そうと決めてからというもの、寝る間も惜しんでそれを作ってきた。まだ何も知らない兵長は包まれているそれを普通に受け取り、「着てみて」という私の言葉に頷いてくれた。

──ヤバイ。もう興奮してきた。

とはいえ兵長はあれをちゃんと身につけることが出来るだろうか。心配だ。そもそも着てくれるのかさえ怪しいところだが。


「…着れそうかーい?」


部屋の外で待っている私は中で着替えている兵長に問いかけてみた。だけど返事が返ってこない。うーん。やっぱり手こずってるのかな?


「っああもう気になってしかたない!」


待ちきれなくなった私は返事を待たずにそのままバンっとドアを開いた。


「兵長!着れました、か……、」


すると中にはそれをちゃんと着こなしている兵長が立っていて、私はその瞬間床に崩れ落ちた。


「えええー!?うはははははッ!!うわあどうしようやっぱり超似合ってる!!あはははっ!ヤバイ!めっちゃ似合ってますよ兵長ー!?ひゃははっあはははヤッバァ〜!!!」


思わず爆笑し床を叩きながら笑い転げていると、兵長がガシリと私の頭を掴んで持ち上げた。


「オイ……何だこの服は……」
「イッ!いたたたた!痛いですっ!……ふひひっ!」
「笑うんじゃねぇ。着るまで気がつかなかったが何だこのクソなセンスは」
「ぶッ!ふはっ……、え、いや……すごく、似合ってますよ……もうゴマカシきかないレベルでめっちゃ胸が刺激されてますぷぷぷ」
「………。」




このあと脳天を拳で殴られました。すごく痛かったです。


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