役に立たない三人に別れを告げて再び兵団内を歩いているとぺトラに挨拶をされて、ちょうどいいところに、と思いまたプレゼントについて聞いてみた。


「え、兵長へのお誕生日プレゼント…ですか?」
「うん。今年は何をあげようか悩んでてさぁ。なにがいいかなぁ?」


あ、そんな深く考えないでね、と先に伝えると、ぺトラは口元に手を当てて考え始めた。真面目で可愛いなあと思う。彼女はリヴァイのことをとても慕っているし、いい返事が聞けそうだと勝手に期待する。


「うーん……急に聞かれると、難しいです」
「何でもいいんだよ。参考にしたいだけだから。例えばぺトラだったら誕生日にリヴァイから何を貰ったら嬉しい?」
「え!?リヴァイ兵長から!?」
「あっうん。たとえばね」
「リヴァイ兵長から誕生日プレゼントをですか?!」
「あ、はい」
「そんなっ私っなんでも嬉しいです!!家宝にします!!」
「いやそんなに?」
「だって、あの兵長から…ですよ!?そもそも私の誕生日を知っていてくれただけでもすっごく嬉しいのにその上プレゼントまで頂けたら私もう死んでもいいです!」
「大袈裟すぎるよ」
「そんなことないです!」
「でも、何でも嬉しいって言っても本当に何でもいいわけじゃないでしょ?」
「いえ!!兵長からのプレゼントでしたら、そこらへんに生えてる草とかでも嬉しいです!」
「マジで?冗談だよね?」
「大真面です!!」
「大真面なのか。やばいね」


まずそこらへんに生えてる草を部下にプレゼントしようとしてるリヴァイを想像して少し笑いそうになっていると、興奮気味のぺトラの後ろからオルオがひょっこり顔を出した。ぱちっと目が合いペトラと同様に挨拶をされる。


「何の話してるんすか?」
「あぁ、実は今…」
「兵長から何を貰ったら嬉しいかって話よ!」
「ちがくない?」


ぺトラは胸の前で両手を握り締めながらオルオの方を向く。その言葉に興味を示したオルオも、「リヴァイ兵長から貰える物であれば何でも嬉しいだろ」と平然と言ってのけた。そういうもんなの?


「ちょっと待って。でもそこらへんに生えてる草とかでも嬉しいの?それは」
「兵長から貰えるもんなら俺はたとえそれがゴミだったとしても嬉しいっす!」
「マジなの?」
「マジです」
「やばいね。」


この子らヤバイなーと若干の危機感を覚え始める。これ以上話していると何かうつりそうで怖いので、早々にその場をあとにすることにした。


「そっか。二人とも貴重なご意見をありがとう。」
「あっいえ……お役に立てずすみません」
「そんなことないよ。二人がどれだけリヴァイのことを慕っているのか分かったよ」


にこりと微笑んで、二人にあめちゃんをあげて小さく手を振る。ぺこりと頭を下げるペトラと軽く会釈するオルオ。
…リヴァイは罪な男だなあ。


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