「さて、もうすぐでリヴァイの誕生日がやってくるわけだけど、今年は何をプレゼントすればいいか迷ってるんだよね。そこで君たちに聞きたい。なにをあげたらいいと思う?」


今年もこの季節がやってきた。十二月。冬。リヴァイのバースデー。
彼の誕生日を知ってからというもの今までも何度かプレゼントを渡してきた。しかしすでにもうネタは尽きた。何をあげたらいいのかさっぱり分からない。ということで他の人間の意見も取り入れてみようという結論に行き着いたので、偶然視界に入ったエレン、ミカサ、アルミンの三人をとっ捕まえて話を聞いてみる。


「さぁ、俺らに聞かれても」
「分かりません。」
「僕らなんかに聞かなくてもナマエさんの方がリヴァイ兵長のことを理解しているのでは?」


しかし返ってきた言葉は思っていたよりも冷たいものだった。エレン、ミカサ、アルミンの三人は考える素振りすら見せずにそう言ってきたのだ。

少しくらい考えてみてくれてもいいとおもう。


「俺そういうの考えるの苦手なんで」
「私もリヴァイ兵士長のことは苦手なので」
「僕もそういうのはあまり自信ありません…」


エレン、ミカサ、アルミンの三人は相変わらずの態度だ。
私がとてもにこやかに「いいから考えろ殴るぞ」と言えば、ようやく三人は渋々といった様子ではあったが相談をし始めた。そうそう最初から考えればいいんだよ最初から。腕を組みながら頷いていると暫くして結果が出たのか、三人の顔がこちらへと向く。


「ん?決まった?」
「はい。」
「よかった。どんなプレゼント?」


内容によっては褒美をあげてもいいぞ…と思いながら組んでいた腕を下ろし聞いてみると、代表してアルミンがそろりと口を開いた。何でもいいから言ってみなさい。


「プレゼントがどんなものでも、ナマエさんが兵長を想って選んだものなら何でも嬉しいんじゃないでしょうか…?」


私は笑顔のまま拳を握り締めた。


「ッそういう優等生な意見は聞いてねえんだよお!!物で答えろ、物で!クソガキ共!!」
「えええ?!だって、そんな、分からないですよ!」


思わずアルミンの胸ぐらを掴むとすかさずミカサとエレンが止めに入ってきた。私の腕を掴んだミカサの力は地味にわりとそれなりにけっこう強かったので、とりあえずアルミンから手を放した。するとその隣からため息混じりのエレンの声が。


「ナマエさん…理不尽なこと言わないで下さいよ。いい大人なんだからプレゼントくらい自分で考えればいいじゃないですか面倒くせえ」
「うん。確かに私も手を出そうとしたのは悪かったけど、エレンもエレンでけっこう辛辣だよね。」
「それは私達が考えることではない。ナマエさんが考えるべき。」
「いやまぁそうなんだけどさぁ……少しくらい可愛い後輩たちに相談してもいいじゃない?」
「僕達には荷が重いですよ」
「そこまで重く考えなくてもいいんだけどね。…まぁいいや。悪かったね、時間とらせちゃって。もう行っていいよ。散れ。」


これ以上彼らと話していても何の成果も得られないだろう。無駄な時間は過ごしたくないので、三人にポケットから出したあめちゃんをあげてから解放してやった。


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