「この前ふと考えてみたんですけど」
「何をだ?」
「兵長の好きなところについてです。」
「……ほう。それは興味深いな」
「ですけど、思いつきませんでした」
「何だと?」
「私、兵長のどこが好きなんでしょう」
「俺が知るか。……お前、俺のこと好きじゃなかったのか」
「好きですよ?ただその理由が……」
「理由がないとかそんなことあってたまるか。もっと脳ミソが飛び出るくらい考えてみろ」
「の、脳ミソが……?まぁ、でもそうですね。もうちょっと考えてみます」
「……。」



30分後。



「なんていうかこう……サイズ感、とかですかね」
「30分考えてその答えか。わりと傷つくな」
「ごめんなさい……」
「いや謝れても余計に悲しいんだが…」
「でもじゃあ逆に、兵長は私のどこらへんが好きなんですか?」
「……お前の好きなところか?そりゃお前、……そりゃあなぁ……」
「はい」



30分後。



「つ、ツヤ感………とか」
「ツヤ感……?(どこの…?)」
「なるほどよく分からんな。」
「あ、ですよね?」
「まぁ別に好きってことには変わりないんだからいいんじゃねぇか。」
「うーん、そうなんですかねー?」
「そうだ。気にするな。俺も気にしないことにする」
「…わかりました。」
「そんなことよりスクワットでもするか」
「そうですね」



※考えるより感じるタイプのふたり。


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