二人だと少し狭い、家のベッドでリヴァイと一緒に眠った。互いの温もりを確かめ合って、愛し合って。そのまま寄り添って眠った。


明け方に私の方が先に目を覚まし、ずっとリヴァイの寝顔を見つめてた。

その時間がすごく穏やかで。幸せを感じた。




「……リヴァイ、」


だけどそろそろ起こそうと髪をひと撫でしながら顔を覗き込み名前を呼ぶ。


「…リヴァイ、起きて?」


するとゆっくりと目を開いたリヴァイに、おはようと声をかける。


「……… 」
「……、」


寝惚け眼と目が合い互いに見つめ合っているといきなり背中と後頭部に手が回ってきた。


「 っわ 、ちょ」
「………ナマエ」


抱き寄せられ、仰向けに寝ていたリヴァイはごろんと体の向きを横にしてそのまま私に顔をうずめる。


「(……ね、寝惚けてる?)」


息遣いを感じながら黙っていると、少ししてから声が聞こえてきた。



「……朝か」
「……ぁ、うん…朝です」
「………」
「……眠い?」
「………いや……よく、寝た」
「…そっか、よかった」


すると息を漏らし顔を上げたリヴァイと目が合う。


「…おはよう」
「 うん、おはよう」


朝の挨拶を交わし、それから起き上がったリヴァイは自分の服に手を伸ばす。



「……ねぇリヴァイ」


その姿を目で追いながら口を開いた。


「……ん 」
「…私、兵士の男の人の体って初めて見たんだけど、女の人もこんなに鍛えられてるものなの?」
「………、」


鍛え上げられたその体を見ながら素朴な疑問を問いかければ、リヴァイはズボンを穿いたところでゆっくりと振り返る。


「知らねぇよ、そんなこと」
「…でもきっとすごいよね。絶対」
「さぁな」
「巨人と戦ってるんだもんね…」
「…興味ねえ。俺は、お前以外の体には」
「………あ、そうですか…」



ふむ。まぁ確かに、同僚とは言え女性の体つきに興味があっても困るけど。じっくり見たことがあっても嫌だし。

そんなことを考えていればギシリと音を立て私に覆いかぶさるような体勢になったリヴァイに、見下ろされる。


「…それより、兵士以外の男の体はどれくらい見たことがあるんだ?」
「……… え?」
「今まで、俺以外に何人と付き合った」
「……はい?」


全く鍛えられていない私の体に指を伝わせながらそれを目で追うリヴァイに、思わず毛布で全身を隠す。


「ちょっ…何、なんなの」
「俺が初めてじゃねぇんだろ?」
「…っな、……何でそんなこと言わなきゃいけないの、」
「いいから言え。教えろ」
「………、」


有無を言わせないその口調。でも、なぜそれを言わなくちゃいけないんだろう。

意味が分からず、だけどとりあえず気持ちを落ち着かせ私は人差し指を自身の口元に持ってきた。


「…それは、内緒」


そしてはぐらかそうと冷静を装いながらそう言えば、ガシリと頭を掴まれた。



「てめぇ何が内緒だコラ」
「っ…ちょ、いたいいたい、」
「もう内緒はナシだろ、なあ」
「…っだ、だって…なんでそんなことまで言わなきゃいけないの、!はずかしいっ」
「ただ気になるだけだ。言え」
「何で気になるのよ……私は別にリヴァイの経験人数とか知りたくないですけど(誰彼構わずやるような人じゃないだろうし)」
「俺はお前のことなら何でも知りたいが」
「………嫌よ。」
「なんで」
「何でって……、」


意外と束縛するタイプなのだろうか。それでも全く引きそうにない彼の態度に、私は仕方なくため息を吐いた。

そして暫くしてぼそりと口を開く。



「………ひ、ひとり……だけ…」



私が今まで付き合ったことがあるのは、一人だけ。だから、リヴァイが二人目。

嫌々ながらもそれを伝えれば眉根を寄せられる。


「…一人?俺以外にか?嘘つけ」
「は!?何で嘘つくのよ!っていうかそんな誰とでも寝るように見える!?」
「……見えないが、少ねぇな。」
「なに!?リヴァイはそんなにたくさんの人としてるの!?」
「……いや。」
「だったらべつにいいでしょっ……ていうかっ、ずっと母親の分も働いてばっかでそんな遊んでる暇とかあまりなかったしっ」
「……。」


目を逸らしながら顔を赤くしていれば、ようやく体を退かすリヴァイ。


「…そうか。まぁ、いいんじゃねぇか」
「な、なにが!?」
「…まぁ…どうせ少ないのなら俺が初めての方が良かったが」
「……もう、なんなの…。」
「ちなみにそいつはどんなクソ野郎だったんだ?」
「どうしてクソ野郎って決め付けるの?」
「まだ会ったりしてるのか?」
「してないわよ……」
「どこで知り合った」
「…前の、職場で」
「別れたのはどのくらい前の話だ?」
「……三年くらい…?」
「その間、誰も好きにならなかったのか」
「…なってないよ」
「……そうか 」


質問攻めしてくるリヴァイに、内容が内容なだけに半分呆れながら体を起こす。


「…だから、今はリヴァイしか居ないって。言ったでしょ?」
「……」
「…それに……あんなに素敵な告白をしてくれたのも、リヴァイだけだよ。今までで一番、嬉しかった」
「……。」


何度か告白をされたことはあるけれど、その中でもあれが一番素敵で嬉しかった。

思い出しながら頬を緩めてリヴァイを見つめれば、そっと頬に手を伸ばし優しく親指でそこを撫で、ゆっくりとおでこにキスをしてきた。





「……今までに何回告白されたんだ?」
「…し、しつこい……!」



リヴァイは結構、束縛とヤキモチをするタイプなのかもしれない。


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