「兵長、ちょっと顔かしてください」


口を開く前にこっちへと向いたその顔に手を伸ばし、そして私も顔を近づける。


「…何だ、どうした」
「……よいしょ。」


隣へと腰を下ろしそれから兵長のほっぺに自分のほっぺを横からくっつけた。


「…………、」
「……うーん……。」


じんわりとほっぺに兵長の体温を感じながら、じっと考える。


「………うん。…これはこれで……えへへ」
「いや何してんだ」


顔を私の方へ少し動かした兵長に、私もそっちを向く。


「じゃあ次は、おでこで試してみましょう」
「だから何をだ」


それからほっぺを離し向き直り、真正面から自分のおでこを兵長のおでこにくっつける。


「………うーん……、」
「……。」


おでこ同士をくっつけ自ずと兵長の瞳を見つめれば兵長も瞬きをしながら私を見つめる。


「…んへへ。これはなんかちょっと、照れますね」
「だから何をしてんだよてめぇは」


されるがままの兵長からおでこをすっと離し、疑問を投げ掛けられ座り直す。


「何がしたいんだ」
「あのですね。キスって唇と唇でするじゃないですか?」
「あ?」
「なんで唇なのかなーって思ったんです。」
「………、は?」
「別にほっぺでもおでこでもいいじゃないですか?だから、ちょっと試してみたくなったんです」
「……。意味が分からねぇ。」
「でも結局…唇でもほっぺでもおでこでも、それが兵長であればくっついているだけでもうそれが何だろうと幸せですね」
「………。」
「…うーん……だから、その。なんていうか、つまり……兵長。すきです。…んふふ、」


そう言いながら兵長の手を握り指を絡める。


「……(何だこいつ、可愛すぎか)」
「 ずっと一緒にいましょうね?」


そして甘えるように兵長の肩に頭をすり寄せ、目を閉じる。



「(そうか可愛すぎなのか………)」
「(…あれ?返事が返ってこない…)」


なぜか静まる部屋に少しだけ顔を上げて兵長を見れば、目が合いそのまま唇にキスをされた。

兵長の唇と私の唇が触れ合い、幸せが広がっていく。


(うーん、やっぱりこれが一番かも)



結果:唇同士が一番いい




「…ってお前。突拍子がなさ過ぎるだろ」
「えへへ……すみません」


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