「オイ、お前は今日俺に何か渡すものがあるんじゃないか?」
「……はい?どうしたんですか、リヴァイ兵長。朝っぱらから部屋に来たと思えば。」
「とりあえず部屋に入れろ。」
「え、何でですか。やです」
「照れなくていい。よこせ」
「は?よこせって……何を?」
「照れなくていい。よこせ」
「………。あ…もしかして、バレンタインのことですか?」
「何だ、今日はバレンタインなのか?ほう」
「………」
「……。」
「……知ってて私のところに来たんですよね?」
「いや、バレンタインというイベントが存在すること自体今知ったくらいだ。チョコよこせ」
「どんな内容のイベントかは説明してないですよ……明らかに知ってたんじゃないですか。変なとこで素直じゃないですね」
「知らなかったと言っているだろう。」
「素直じゃない人には、チョコあげませんよ」
「実は二週間前からそわそわしていた。」
「そこまで正直に……。まぁでもチョコなんか用意してないんですけどね。」
「なん……だと……?」
「ごめんなさい。さっき思い出したもので」
「てめぇ俺の心を弄びやがったな……?許さねぇ、今すぐチョコを用意してから詫びろ。」
「どうしてもチョコはもらいたいんですね……」
「許してもらいたければチョコを用意しろ。」
「……でも兵長、きっと部下からたくさん貰えるんじゃないんですか?兵長はみんなの憧れの的なんですから。」
「だったら何だ」
「それならわざわざ私に言い寄らなくても貰えるじゃないですか」
「……は?何言ってんだ、てめぇ。」
「え?」
「今チョコをくれると言ったのか?」
「いや言ってないですけど……。」
「……俺は、お前からもらいてぇんだよ。バカか。」
「………、」
「じゃなきゃわざわざこんな早朝から自ら出向くわけねぇだろ?」
「……それは、仰るとおりですね。」
「いい歳した大人がここまでアピールしているんだぜ?察せよ。」
「……。」
「分かったらさっさとどうにかして用意しろ。このグズが」
「そんなこと言われても…。今からですか…?」
「当たり前だろうが。今日のPM11:59まで待ってやるから、持って来い。」
「今日が終わるギリギリまで待っていてくれるんですね。粘りますね兵長」
「何なら少しくらいなら今日が過ぎても構わん。」
「必死ですか。私からのチョコ貰いたすぎか兵長。」
「はっ、バカ言え。そんなもん当たり前だろうが。寝言は寝て言え。」
「………ふ。……分かり、ましたよ。用意してくるので、待ってて下さい。」
「本当か?」
「はい。本当です。」
「そうか。今なら素手でも巨人を倒せそうだ。」
「それはヤバイですね」
「……待ってる。」
「はい、待ってて下さい。」







「オイ、どうした?早く用意しろよ」
「………いや自分の部屋で待ってて下さいよ。何勝手に部屋入ってるんですか。ていうか着替えるんで、普通に出てって下さい。」
「なに、着替えるのか?…いい、俺のことは気にせずこのまま着替えろ。」
「気にするわ。出てけ」


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