兵長の、いろんな顔が見たい。

たとえばあくびしている顔とか。たとえば、くしゃみしてるとことか。
言葉にすればいろいろあるけれど、でもその中でも私が今一番見たい兵長の顔。

それは、リヴァイ兵長の『ふーふー顔』だ。

うん、そう。兵長がふーふーしているところを私は見たい。是非とも見たい。熱い食べ物を前にふーふーしている兵長が見たい。かわいい。想像しただけで可愛い。『兵長がふーふー』っていう文字を見るだけでもうすでにかわいい。やばい。

そんなことを考えている今日この頃。時は満ちた。兵長が「腹が減っては巨人も削げん」と言っていたので、私はスープを用意することにした。


「いや、そんなこと言ってないんだが。ただ腹が減ったと言っただけだぞ」


……とにかく、お腹が空いているようなので、スープを温めた。早急に温めた。

そしてそれをリヴァイ兵長の前に持ってきた。



「はい、兵長。スープです。食べて下さい。熱いのでお気をつけ下さい。」
「……お前なぜこんな煮え滾るまで熱くした?馬鹿なのか?」
「あ、すみません!ちょっとした不手際で!でも冷めてしまうとおいしくないので熱いうちに食べて下さい!さっ、どうぞ!どうぞどうぞ!」
「不手際はてめぇの脳みそだ。誰が食えるか、こんなもん。沸騰してるぞこれ」
「えぇ!?なんと!では少し冷ました方がいいですね!でも冷ますにはどうしたら!?」
「しばらく置いとけ。」
「えええええええ!?しばらく置いとく!?何その冷まし方!!クソつまらん!!」
「あ?」
「もうちょっと効率よく冷ましましょうよ!!たとえばほら、ふーふーするとか!」
「……(あぁ、そうか。無視しよう)」
「ほらほら!リヴァイ兵長!ふーふーしましょう!ほらっね!?ふーふー!!」
「……。」
「ふーふーした方が早く食べれますよ!?」
「……。」
「ちょっとほら!ねえ!?」
「……。」
「やだ無視しないで!!」
「…うるせぇよ。」
「何でふーふーしてくれないんですか!」
「めんどくさい。置いときゃ冷める。」
「それじゃあ意味ない!ふーふーして下さいよ!」
「しねぇよ。てめぇの思惑通りになってたまるか。」
「えっ!?思惑とか何のことですか!?さっぱり分からない!あっ鳥が飛んでる!兵長見て下さい!窓の外!鳥だぁ!」
「誤魔化すの下手すぎかてめぇ」
「……くそ!こうなったらせめて私がふーふーしてそれを兵長にあーんして食べさせてやる!」
「やめろふざけんな」
「ちょっとかして下さい!ってアツァッ!!?何これ熱ッ!!誰よこんなに熱くしたのは!?」
「紛れもなく数分前のお前だよ。」
「私か!!!でもいいです!とにかく私がふーふーしてあげます!」
「いい。」
「ふーふーします!!ふーふーさせて下さい!!」
「断る」
「ふぅーふうーーー!!!」
「うるせぇ。お前にふーふーしてもらうくらいなら火傷した方がまだマシだ。」
「ちょおおおおお!?今兵長『ふーふー』って言った!?ぐあああああ可愛すぎか殺す気かあああああ!!!」
「………(しまったつられて)。」
「何ですか今のおおおおお!!!」
「黙れはしゃぐな」
「huuuuuu!!!」
「……こいつ頭が沸いてやがる…」
「ふうううううッ!!↑↑↑」
「矢印やめろ」


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