「パパ!お菓子くれないといたずらしちゃうぞ!がおー!」
「なんてこった可愛すぎる。でもがおーって何だ」


仕事を終えて家に帰ると玄関で迎えてくれた愛娘は魔女の格好をしていた。


「あ、おかえりなさい。お疲れ様」
「そこで魔女を捕らえたんだが。」
「魔女さんいたずらするどころか捕まっちゃったの?」
「火炙りにするか?」
「パパはなして!お菓子ちょうだい!がおがおー!」
「…お前のそのがおーってのは何をイメージしてるんだ?」
「よく分からないけどずっと言ってるの。気にしないで」


抱き上げていたリーベを下ろし、カバンから買っておいたそれを出してやる。


「ほら、くれてやる。」
「わー!おかしぃー!やったー!」
「良かったねぇ。ちゃんとお礼言うんだよ?」
「うん!ありがとうパパ!…あ、いや違う!ありがとう下僕!」
「待て。俺はいつからお前の下僕に降格したんだ?」
「だってリーベは魔女だよ?」
「うん。それで?」
「だからパパは魔女の下僕なの!」
「うん、全く分からねぇな。」
「じゃあママは?」
「ママはねぇ、リーベの相棒!」
「オイ、なぜナマエは同格なんだ」
「だからママもパパからお菓子もらっていいよ!」
「あ、いいんですかー?」
「いいよ!リーベが許可する!」
「ありがとう。じゃあパパ、私にもお菓子ちょうだい。」
「…悪いが魔女さんへの分しか用意してねぇ。」
「なんですって!じゃあパパはママにいたずらされても文句はいえないね!」
「そうなるねー」
「いや……ママはするよりもされる方が好きなはずだ。」
「え?そうなの?」
「ちょっと。」
「パパだってする方が好きだしな。」
「リヴァイ、何の話か知らないけどとりあえずさっさと手を洗ってきて。」
「パパはママにいたずらをするのが好きなの?いたずらってどんな?」
「リーベ、もう夜だけど特別にそのお菓子ひとつだったら今食べてもいいよ?」
「えっ!今たべてもいいんですか!?夜なのに!?」
「うん。ハロウィンだから特別ね。でも残りはまた明日ね。」
「やったー!じゃあ今食べちゃおーっと!がおがお〜!」
「……ナマエ、今夜は二人っきりでハロウィンに興じるか。」
「リヴァイお願いだから黙って。」


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