「……あれ…?ここは…?」
「…気がついた?」
「…ミカサ?私……、」
「ここは医務室。あなたは訓練中に頭を打ってここへ運ばれた。」
「……そっか…私、訓練中に……っていやちょっと待て。」
「…どうしたの」
「どうしたのじゃないよ。違うよ全部覚えてるよ私。」
「何のこと?」


私はズキズキと痛む頭を押さえながら起き上がり、ミカサに向き直る。

そう。あれは確か。
私が本棚の上の方にある本を取ろうとしていた時のことだった。取りたい本に手が届かず、私は一生懸命手を伸ばしていた。それでも取れずにいるとそこにエレンが現れて、代わりに取ってくれようとしたのだ。彼の身長でもギリギリ届くかどうかくらいだったけど、エレンは何とかジャンプとかしてそれを取ってくれた。
だけど本が取れたその瞬間エレンがバランスを崩して、私の方に倒れ込んできたのだ。私は思わず支えようと思ってエレンに手を伸ばしたけど結局一緒に倒れちゃって。
そしてなぜか私がエレンの上に覆い被さるような状態になっちゃって。ラブコメみたいな展開になっちゃって。そんなところにちょうど通りかかった幼なじみポジのミカサにそれをバッチリ見られて。


「…それで、光の速さでミカサが私を投げ飛ばしたんだよね。」
「……。」
「それで頭を打ったんだよ!本当にもう何してくれちゃってるの!あれは事故だったんだからね!?」
「……エレンから、話は聞いた。」
「いくらなんでもここまでする?わたし頭に包帯まで巻かれてるじゃん」
「…仕方ないでしょ。世界は、残酷なんだから…」
「……そっかなるほど…。ってなるか!」


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