「ハンジさん、聞いて下さいよ…」
「元気ないね。どうしたの?またリヴァイのこと怒らせたの?」
「…実はそうなんです」
「今度は何したの?またリヴァイのスカーフの匂い嗅いでたところを見られでもした?」
「あ、それ…次やったら地下牢に閉じ込めるって真顔で言われました」
「地下牢って。大袈裟だな」
「私を閉じ込めて独り占めしたいんですね!?って言ったら、すっごい顔顰めてそのまま無言で部屋から追い出されました。」
「君も本当こりないね。」
「でも次の日に、それも悪くないかもなって兵長真顔で考えてました。」
「マジかよ。」
「だけど今回は別に、大した事してないんですけどねー」
「絶対してるよね?」
「いや、本当に。私はただ、兵長の立体機動装置と一緒に寝てただけなんですよ?」
「……え?立体機動装置と?」
「はい。」
「…いや、そんなさも当たり前のように肯定されても困るんだけど。何でそんなもんと寝たの?」
「だって最近暑くて寝苦しいじゃないですか?だからですよ。」
「ごめん分からない」
「だってあれひんやりしてて気持ち良いじゃないですか?だから抱いて寝たらきもちいいだろうなって思って」
「それで実行したわけなんだね」
「はい!」
「反省の色なしかよ…」
「そもそも元はと言えば、兵長がその日帰りが遅かったのがいけないんですよ。私はずっと待ってたのに、全然帰ってこなくて。だからもう一人で先に寝ちゃおうと思って。でもそれだと寂しいししかも暑いし。そしたら側に置いてあった立体機動装置が目に入ったんでこれだと思い、抱き締めて寝ました。」
「抱き心地はどうだった?」
「……なんか、硬かったですね。」
「だろうね。」
「でもこれで兵長は戦ってるのかーって思うと、それはそれで興奮しましたね。はい。ふへへ」
「へえー…」
「ね?大した事してないでしょう?」
「……いや、でもなんかキモイよね。」
「えっ」
「行動が意味分からなくて。」
「……え、どこらへんがですか?」
「立体機動装置と寝ようって思いつくとこらへんが。あとそれに興奮してるあたりが」
「そうですか?でも幸せでしたよ?」
「……。リヴァイはなんて?」
「汚い触るな死ね、って怒ってました。…でもハンジさん。私よりもあっちの方が絶対汚れてると思いません?兵長がいくら綺麗好きで小まめにお手入れしてたとしても。」
「まぁ、そうだろうね」
「なのに私が汚いみたいな言い方されて、心外ですよ全く。」
「……。」
「でもハンジさん。兵長が今怒っている一番の理由……分かりますか?」
「え、だから立体機動装置と寝たからでしょ?」
「そうなんですけど、でもそれは汚すなとか触るなとかそういうのよりも、俺以外の物体と寝るんじゃねぇっていうのが一番許せないみたいなんです。すごくないですか?」
「え。そ、そうなの?」
「はい。そう言ってましたもん。例え物だったとしても兵長以外を抱いて寝るなと。」
「マジかよ……つまりはヤキモチ的な?」
「そうそう。驚きですよね。」
「……リヴァイもリヴァイで思いもよらない事を普通に言うんだね。君らやっぱお似合いだわ。」
「え、本当ですか?嬉しい!」


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