「ママとパパは、どうやって出会ったの?」


私達の出会いは、まるでドラマや漫画のような出会い方だったと思う。

あれは私が高校一年生の時。他校の男子に絡まれているところを、そこに通りかかったリヴァイが助けてくれたのだ。リヴァイは三人相手に一人で割り込んできて、しかもそれから喧嘩にまでもつれ込んだのに、圧勝だった。だけどリヴァイは目つきが悪いから、助けてもらったのは有り難かったけど正直その時は少し怖かった。
まともに話す事も出来ず、同じ高校の先輩ということを知ったのは少し経ってからだった。


「分かった!ダンゴムシを探してたら出会ったとか?」
「それどういう出会い?…そうじゃなくて、ママとパパは学校が同じでそこで出会ったの。」
「がっこ〜?しょうがっこー?」
「んーん。高校っていうところ。小学校よりも大きくなってから行くとこね。」
「へえ〜。こーこーではパパとダンゴムシ探さなかったの?」
「うん。高校どころか中学でも探してないしね。」
「そっかぁ。パパとはじめて会ったときどんな感じだったのー?」
「初めて……。そうだな…あんまり話さなかったかな。」
「なんで?」
「…パパはママより年上だったから、緊張しちゃったのかなぁ多分。(目の前で三人をボコボコにしてて怖かったからなんて言えない)」
「ふうーん。ママは何でパパに惚れたの?」
「え、うーん……。そうだなぁ…。守ってくれるから、かなぁ」
「まもってくれる?」
「そう。パパは強いし、優しいからね。そういうところが、かっこいいな〜って思ったの。」
「なるほどな。あとは?」
「あとはー……ってリヴァイ。いつの間に」
「あれ?パパ、洗い物おわったの?」
「ああ。なんかパパの話してるから急いで終わらせた。皿をひとつ割りそうになったが。」
「ちょ、やめてよ?」
「それで、あと俺のどこが好きなんだ?」
「…もういいでしょその話は。」
「何言ってる。リーベだって気になって……て、オイ。どこ行った?」
「あっち。テレビに興味が移ったみたいです。」
「何だと……俺らの馴れ初めよりテレビの方が気になるのか?」
「みたいだね。」





「あははっ!じゃあ次はハンジが隠れるばんね!」
「え、私も隠れるの?えー…隠れるところあるかなぁ?」
「まぁハンジがどこに隠れようとリーベのセンリガンがあればすぐに見つけてしまうけどね」
「え、リーベ千里眼あるの?それずるくない?」


休日に、ハンジが家に遊びに来てくれました。リーベもよく懐いてていい遊び相手になってくれるから有り難い。


「ハンジ、お茶淹れたからそろそろ休みなよ。」
「あ、ありがと!」
「えー!!これからがいいとこなのにぃ!!」
「リーベもジュース飲んでいいから、ちょっと休憩ね。」
「おかしは!おかしはあるんですか!」
「ハンジが持ってきてくれたお菓子があるから、お礼言ってから食べようね。」
「ハンジありがとお!きみのことは一生忘れない!」
「っはは、それは嬉しいなぁ。」
「リーベ。こんなメガネのことなんか、いちいち覚えてなくてもいいんだぞ?」
「ちょっと。」
「でもさぁパパ、リーベはハンジのこと大好きだからさぁ」
「何だと!?」
「あら嬉しい。」
「そりゃあこんだけ遊んでくれたら大好きにもなるよ。」
「パパとどっちが好きなんだ!?」
「え、………そうだなあ…。」
「考えるまでもないだろ!?」
「パパ必死かよ。」
「うーん…。でもパパもこの前ダンゴムシいっしょに探してくれたしなぁ」
「ぶっ、…リヴァイ、リーベとダンゴムシ探したの?想像すると笑えるんだけど」
「しかもわりと長い時間探してたからね。今リーベの中でダンゴムシが生き甲斐になってるらしくて。」
「そうなの!あのねハンジ、ダンゴムシさんはね、宇宙なんだよ!」
「え、宇宙?」
「そんなことよりも俺とメガネのどっちが好きなのかが切実に知りたい。」
「…っあ!ていうかこれリーベの好きなおかしじゃーん!さすがハンジ分かってるぅー!」
「あはは、でっしょー?」
「…リヴァイ、多分だけど今聞いても傷つくだけだと思う。」
「……チッ。」





「ハンジはいつママと出会ったの?」
「え?ママと?高校生の時だよ」
「ハンジもこーこーが同じだったの?」
「そうそう。まぁ私はママよりもパパと先に出会ってるんだけどね。」
「っえ、ハンジはママよりも先にパパに出会ってるの!?」
「あ、うん。同じクラスだったから」
「じゃあハンジはパパのこと好きだったの?」
「いやなぜそうなる?私はパパとはただの友達だったからなー」
「ふうん。そこはママとハンジで、パパをめぐって対決する流れかとおもったー」
「あはは、ないない。それにリヴァイはナマエに一目惚れだったしね」
「ひとめぼれ?…ゆめぴりか?」
「いやそれは米の名前…。そうじゃなくて一目惚れっていうのは、初めてママを見た時に好きになっちゃったってこと。」
「へーえ。そうなんだー」

「…オイ、メガネ。リーベに何吹き込んでやがる」
「ん?…昔のこと話してるだけだけど?」
「パパがママにゆめぴりかした話とかね!」
「一目惚れね。」
「……。言っておくが、ナマエだってわりとすぐ俺に惚れたんだからな。」
「あはは、知ってるよ。君らなかなか付き合わなかったけど、もう周りにもバレてるレベルでお互いのこと好きだったもんね。」
「パパはむかしからママのことが大好きだったの?」
「……ああ、そうだな。ママも俺のこと大好きだったけどな。」
「ふうーん」
「リーベは幼稚園に好きな男の子とか居ないの?」
「居るわけないだろう!!」
「……いやリヴァイには聞いてないし。」
「あのね、ハンジ…パパの前ではそういうの、触れちゃいけない話題だから。」
「あ、そうなんだ。ごめんね。ていうかリヴァイ、ナマエと夕飯作ってたんじゃなかったの?」
「…こそこそと何か話してるから様子を見に来ただけだ。」
「いや別にこそこそはしてないし。」
「いいからパパはママといちゃいちゃしながらごはん作ってきなよ。」
「いちゃいちゃって」
「何だその邪魔者みたいな扱いは……」
「ほらぁ〜はやくぅ〜」
「あはは、リヴァイ邪魔だって」
「チッ……腹いせにメガネのメシに大量のタバスコを入れてやる」
「なんでよ。やめてよ。」





「ナマエ、リーベに邪魔者扱いされた。」
「え?なんで?……って、ちょっと。何すんの、やめてよ…ハンジも居るのに」
「…お前も俺を邪魔者扱いするのか」
「違うけど後ろから抱きつくのはやめてもらっていいですか。恥ずかしいので」
「何言ってんだ。皿洗う時もたまにこうしてるだろうが。何を今更」
「だからハンジが居るでしょっ」
「ハンジはリーベと話してるから気づかれねぇよ。」
「ちょっと、」


「…うわーほんとにいちゃつきながら夕飯作ってるよ。」
「ママとパパはラブラブだからね。」


ばっちり見られてました。


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