「おっせぇな…エルヴィンの野郎共。待たせやがって…迎えの憲兵団が先に、来ちまうじゃねぇか。」
「そうですね!マジ遅いっすね!」
「……大方、クソがなかなか出なくて、困ってんだろうな。」
「…は は…。…兵長、今日はよく喋りますね…」
「バカ言え。俺は元々けっこう喋る。」
「そうそう!兵長はこう見えて、私と二人っきりの時なんかもうマシンガントークだよ!?私が相槌さえも打てないくらいのスピードで喋るからね!」
「え…そ、そう、なんですか?」
「なワケねぇだろ。」
「兵長は、地下街でゴロついてた頃の武勇伝を永遠と私に喋ってきてね、もう手がつけられないんだよ。」
「え…そう、なんですか?」
「だからんなワケねぇだろ。…てめぇは少し黙ってろ。」
「はーい!……って兵長足!!痛むんですか大丈夫ですかっ!?」
「うるせぇ黙れ騒ぐな怪我に響くだろうが。」
「えっ響くんですか!?」
「……あの……すみません…。俺があの時、選択を間違わなければ……こんな事には……。」
「………。」
「…言っただろうが。結果は誰にも分からんと」
「……(空気が不味い)。」

ガチャリ。

「遅れて申し訳ない。」
「っ、いえ…」
「エルヴィン団長!!ほんと遅いですよもー!!こっちは大変だったんですから!エレンはしょげてるし兵長はクソみたいな冗談言い出すし、本当もう暗すぎてあと少しで私歌を歌いだすところでしたよ!?」
「それは良かった。歌いだす前で。いやそんな事より、女型の巨人と思わしき人物を見つけた。今度こそ確実に捕らえる。」
「えっ」
「マジすか!」





女型の巨人と思わしき人物はエレンの同期の中に居たらしい。


「何で……何でそう思うんだよ、アルミン…」
「…女型の巨人は、最初からエレンの顔を知っていた…それに、同期しか知らないはずのエレンのあだ名…“死に急ぎ野郎”に反応を見せた」
「はい団長。質問いいですか」
「…何だ。」
「そのエレンのあだ名、めっちゃ面白いんですけど。何でそんなあだ名がついたのか詳しく経緯を聞いてもいいですか。」
「……リヴァイ。」
「…邪魔だからお前は部屋の外で立ってろ。」
「えー!ごめんなさい仲間外れは嫌!」
「いいか?今、そういうクソみてぇな冗談言っていい場面じゃない事くらい脳みそが腐ってるお前でも分かるだろ」
「冗談じゃなくて、本気だったんですが」
「じゃあもう出て行け。お前は俺の一任で作戦から外す。」
「ごめんなさい。黙ります。あだ名についてはまた今度聞く事にします。仲間外れは嫌です。ていうか女型だけは私絶対捕まえたいんです!兵長に怪我なんかさせて、絶対に許せないです!正直はらわた煮えくり返ってます!ぺトラちゃん達のこともあるし…… っ私、たとえ自分が死んでも女型だけは逃がしません!!」
「死ぬな。」
「…(あのチビの怪我は私のせいのような気がするけど、わざわざ言う必要もないか。)」


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