「兵長、ババ抜きをしましょう!」
「ガキかよ。」
「トランプ持って来たんで!」
「…仕方ねぇな…。」
「じゃあ配りますねー」





「悔いが残らない方を自分で選べ。」
「…いや…だから、こっちですってば。離して下さい。」
「本当にそれでいいのか?」
「はい。いいから離して下さい。」
「……」
「もう!兵長、往生際が悪いですよ!」
「…チッ」


ようやく離してくれたカードを見てみると、手持ちのカードと数字が揃って私の勝利が決まった。兵長は不機嫌そうに残ったジョーカーを投げる。ちなみに13回勝負をして、兵長は未だ一勝もしていない。


「もうやめますか」
「いや、勝ち逃げは許さねぇ。」
「だって兵長弱い……。」
「あ?」
「…もういいじゃないですか。」
「ダメだ。勝てるまでやる。」
「夜になっちゃいますよ。」
「朝になったとしても勝つまでやる。」
「まじかよ。じゃあババ抜き以外でやりましょうよ」
「ババ抜きで勝てなきゃ意味ねぇだろうが。」
「でも……なかなかないですよ。こんだけやって勝てないのって…たぶん向いてないんですよ。兵長。」
「向き不向きあるのか?」
「いやないと思いますけど…それにしても弱いんで…」
「……チッ」
「もういいでしょう?片付けちゃっていいですか?」
「いや待て。あと一回。あと一回でいい。最後に一回だけ…」
「子供ですか」


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