「兵長、今日は一緒に絵を描きませんか?」
「…俺もか?」
「はい!一緒に楽しくお絵描きしましょう!」
「……俺はいい。」
「えー!何でですかー!たまには一緒に描きたい!」
「一人で描いてろ。」
「冷たい!」
「…あんなに絵を描かせてやった俺に冷たいと言うのか?てめぇは。」
「……。そう、ですね…それは確かにそうです…ポーズしてもらったりいろいろ我儘きいてもらったのに…。ごめんなさい…」
「いやそんなシュンとされるとこっちもなんか」
「…でも、兵長にも絵を描く楽しさを分かってもらいたいというか……一緒に描けたら楽しいかなって思って…」
「…… ハァ。分かった。仕方ねぇな…付き合ってやる。」
「ほんとですかっ?!わーい兵長優しい!愛してる!」
「…もっと深みのある愛してるが聞いてみたいもんだな。」





「という事で外に出ました!」
「そうだな。」
「お互いを描けたら楽しいですけど、やはり人物は難しいと思うので馬くらいから始めてみますか!」
「分かった。」
「じゃあお互い愛馬を描きますか〜」
「ああ」


数分後。


「オイ、まだか?」
「えっ兵長もう描けたんですか?」
「とっくだ。」
「はっや!え、もう少し待って下さい…あとちょっとなんで…。」


それからまた数分後。


「(風が気持ちいい)」
「…よし!出来ました!兵長、お待たせしました!」
「ん。」
「じゃあ見せ合いっこしましょうか!」
「ああ」
「じゃあ… せーのっ!じゃーん!…どうですかっ?」
「…お前、馬までこのクオリティなのか。すげぇな…」
「…………。」
「人物も相当上手かったが何でも描けるんだな」
「…………。」
「…オイ、聞いてるのか?」
「………え……いや……」
「あ?」
「ちょ……へい、ちょう……何ですか、これ……。」
「何がだ?」
「な、…何がって……いや、この……兵長のスケッチブックに描いてあるこれですよ!!何これ!?」
「あぁ?何って、馬だろ。」
「いやっまぁそれは辛うじて分かりましたが一応!!でもこれっ……本気ですか!?」
「……本気だが。」
「これで!?兵長ちゃんと馬見ました!?見て描きました!?」
「見た。」
「見てこれ!?マジ!?兵長絵心ヤバイですね!!そりゃあ早く描き終わるはずだよ!!」
「………」
「すごい!逆にすごいです!」
「……分かった。(ビリビリビリーッ!)」
「あああっ!?兵長のお馬さんがっ!?」
「もういい。」
「ちょ……兵長っ、待って!ごめんなさい!笑ってごめんなさい!」
「……お前笑ってたか?」
「え、いやっ……心の中で、わりと…。」
「黙っとけよ。そういうのは。」
「ご、ごめんなさい!!確かに兵長の絵は本当に下手で絵心もクソもないですけど、子供ですらもうちょっと上手に描けるんじゃないかってくらいですけど、でもだからってそういう才能は人それぞれだし口に出して言う事ではなかったですね!!本当にごめんなさい!!」
「…お前、それ止め刺してるからな?言葉の暴力だからな?」
「え、ご、ごめんなさい……で、でも兵長…あの、愛してます」
「全く響かねぇ。」


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