「兵長、最近前よりも一緒に居る時間が増えて本当に幸せなんですけど…、」
「…何だ?」
「でも、無理してないかなって」
「俺がか?してねぇよ。変な心配はしなくていい。」
「…本当ですか?」
「ああ。それより、人形は作ってないだろうな?」
「作ってないですよ。描いた絵も今は引き出しに閉まってますし。最初は飾って話しかけてましたけど」
「本当に話しかけてたのか……。(切ねぇ)」
「はい!でも今は兵長とたくさん居れてるので、夜も寂しくないです!ありがとうございます!」
「…なら良かった。」
「でも、絵を描くのは楽しかったので、良かったらまた描きたいんですけど」
「あぁ…確かにお前本当に上手いからな。まぁいいぞ。」
「やったー!じゃあ今度は立体機動も描きたいので兵服がいいです!」
「………わざわざ?」
「はい!だってこの前のは休日スタイルでしたし。今回は兵士スタイルの兵長を描きたいんです。やっぱ戦っている時が一番カッコイイですもん。」
「そうか…。まぁいいが…」





「じゃあ兵長、なんかポーズとって下さい!」
「断る。」
「え!なんで!」
「装置もつけさせブレードも持たせて…更にポーズをとれだと?どんだけ注文するんだ。」
「だって棒立ちってつまらないじゃないですかー」
「知るかよ。ここまで付き合ってやってるだけでも褒めてほしいくらいだ。」
「兵長偉いです!イイ男!さすが!」
「いや本当に褒められても。」
「人類最強の兵長ならカッコイイポーズのひとつやふたつ!きっといろんなバリエーションがあるはず!」
「ねぇよ。」
「じゃあこう……ここに、巨人の項があると思って。切りかかる瞬間の形を下さい。」
「……」
「お願いします!すぐ描き終えるんで!ほんと!一瞬!すぐだから!ほら、ここに巨人が居ると思って!削がなきゃ!削がなきゃ食べられちゃいますよ!その瞬間を描きたい!」
「……チッ…仕方ねぇな…」
「わーい!さすが兵長!愛してます!」
「こんな事で愛されてもな……ほら。さっさと描け。」
「兵長、何やってるんですか?片手は逆手持ちでしょ?ここに巨人が居ると思ってって言ってるじゃないですか。本気で削ぐ気あるんですか?ナメてるんですか?」
「細けぇなコイツ……しかも俺の事よく見てやがる……。」
「当たり前じゃないですか!逆手持ちって難しいのにすごいなっていつも思ってますよ」
「(ガチャっ)リヴァイ居るーーー?ちょっと話が……って、え?何やってんの?」
「………。」
「あ、ハンジさん。お疲れ様でーす」
「…何してんの?」
「え?あ…今ちょっと兵長の絵を……」
「絵っ!?…リヴァイがモデルってこと?えっそれでポーズとってんの!?あはっ何それウケる!!ポーズとかっ!リヴァイも満更でもないんだ!?あはははっ!!」
「カッコイイですよね?」
「ぶはっ!!リヴァイは描かれてる間ずっとそのカッコイイポーズのまま動かないの?健気だね!偉い!ちゃんとかっこよく描いてほしいんだ?!」
「オイ、メガネ……遺言はそれでいいか?」
「ヤバイおなか痛い…面白い……ってリヴァイ…?ちょ、え、何?どうしたの?ブレードを握り締めて」
「これで記憶を消してやる。」
「いやいやいや!それ切れ味ヤバイから!!記憶消すどころか死んじゃうから!!」
「うるせぇさっさと項を出せ。」
「殺す気満々じゃないか!やだ何この人!」
「っあ、じゃあその瞬間を描くんでハンジさんもこのまま協力お願いします」
「バカなのっ?!止めて止めて!!」
「安心しろ。一瞬だ。」
「いやいやいやっ!駄目だから!何なのこの二人危ないよ!目がわりと本気だよ!誰か助けて!」
「本気ですよ当たり前じゃないですか!!カッコイイ兵長を描きたいんですもん!!」
「いやっそこじゃなくて!」
「コイツの絵の為だ。安らかに眠れ。」
「ちょっ…誰かーーーー!」


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