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15禁ですご注意
俺は今まで自分のことはSだと思っていた。(あ、服のサイズじゃなくて性質の方だからな。)
でも名前(男)もけっこうSだと思う。何コイツの楽しそうな顔。
「……えーっと…。」
舐めるべきか?さっき名前(男)にしてもらったように。
アレは確かに気持ち良かったけど、自分が出来る自信は無い。つーか名前(男)はよく出来たよな…。
「赤也?どうする?」
やたらと饒舌…というかペラペラしゃべる名前(男)は珍しかった。
「…すればいいんだろ。」
名前(男)のズボンのベルトを外そうと手をかけた。
カチャッと金属が擦れる音がして手が止まる。
布ごしで見ても名前(男)のは立っているのが丸わかりだ。俺のでそんなに興奮するもんか、とどっかで思った。
名前(男)は俺の顔を凝視している。そんなに見るんじゃねーよ…、緊張すんだから。
顔を上げた瞬間、名前(男)と目が合ってしまった。慌てて逸らす、と同時にに違和感を覚えた。
「………パンダは?」
「え?」
「そーだよ、何でこの部屋パンダいねーの?」
本棚の上、枕元、それにクローゼットの上に机の棚。来る度に増えてたパンダのぬいぐるみが一匹もなかった。
いつからだっけ、前来た時には確かあったはずだ。
「何で?飽きたのか?」
「そんなんじゃないけど…、」
妙に煮え切らない名前(男)の声も変だった。
もしかして、父親にそういう趣味(=男がぬいぐるみ集めてる)がバレて捨てられたとかそんなんじゃね…?
「……何か言えよ。」
「だって…。」
「だって、何?」
動揺を隠すように口元を押さえる名前(男)を見て、俺は自分の直感が正しいような気がした。
……しかし、名前(男)の言葉は予想外のものだった。
「引かない?」
「は?」
名前(男)はスッと立ち上がると俺の手を取って立ち上がらせた。
いや、俺全裸なんですけど。
とりあえずズボンを中途半端に履いて名前(男)についていった。
廊下みたいなトコを抜けて突き当たりの部屋。基本的にリビングと名前(男)の寝室と洗面所くらいしか行ったことがないのでこの部屋には初めて入ったのだが。
「………。」
「俺の部屋に置く場所なくなっちゃって。」
「……………。」
狭い部屋って言うか、物置みたいなとこだったんだけど、そこにはパンダがぎっしりいた。ちょっと怖い。
「…ぱ、パンダ部屋…?」
「うん。」
よくこんだけ集めたな、と思った。コイツやっぱり金持ちなのか?
「父さんがよくお小遣いくれるんだけど、今まで本以外あんまり使ってなかったから貯金してたんだ。」
「へー……。」
その貯金でぬいぐるみ大量購入ですか!何なんだよコイツはほんとに!
名前(男)の表情は、言い方変だけど、親に褒めて欲しい子供みたいなキラキラしたものだった。誰が褒めるかバカ。
「そんなに好きなわけ?」
「うん。凛々大好きだもん。」
このパンダは凛々っていうのか、初めて知ったぜ。
っていうかそんなことより。
「大好き、ねぇ。」
「…あ、赤也が一番大好きだよ?」
「………っ!」
さらっと言うなよホントもう!!
「続きしよっか。」
「ここでかよ?!」
「部屋戻る?戻りたいって言うなら戻るけど?」
「……別に、ここでいいけど。後始末めんどうじゃねーなら。」
「そう?」
……何つーか、ぬいぐるみとは言え名前(男)に愛されてるものに嫉妬した。名前(男)はパンダなんかより俺の方が好きなんだ、と優越感に浸りたいだけだ。末期だな俺も。
名前(男)のベルトを外してズボンのチャックも開けた。全部脱がさなくてもいいよな、と軽く下にずり下げるくらいのところで止めた。
そんで相変わらず元気な名前(男)のモノに手をかける。軽く握ると名前(男)が小さく息を飲んだ。
名前(男)の顔は好きだ。笑ってても怒ってても泣いてても整っている。普段は割とポーカーフェイスだけど、たまにくしゃっと笑ったりすると周りの空気がパッと明るくなるくらいだ。
そんな名前(男)の今の表情はスゲー色っぽい。艶があるっていうか、エロいっていうか。
じゃ、もっと気持ち良くなったらもっとエロい顔すんじゃねーの、と思った。
両手で名前(男)のを軽く扱きながら顔を近付けてみた。
「………赤也?」
「したことねーから、あんま気持ち良くなかったら言えよ。」
「え、ちょっと、」
べろりと先端を舐めてみた。少しだけ苦い、けど名前(男)のだったらまぁいいかと思った。
確かに、こんなこと好きじゃなきゃ出来ない。
根本は手で扱きつつ、先端は舐める。同じ男だから気持ち良いポイントは何となくわかる。その部分を特に攻めてみた。
「……ッん、」
ひくっと名前(男)の喉が鳴った。気持ち良いみたいだ、と思うと気持ちが少し大胆になった。
先端を軽くくわえて、ちゅ、と吸ってみた。さっき名前(男)にやられて気持ち良かったやつだ。
どんどん先走りが溢れてきて、苦味が口の中に広がる。ぶっちゃけあんまり味わいたいものではない。
いったん口を離して手だけで扱いてみた。先走りを全体に広げるように手を動かすと、名前(男)のがビクビクと反応を返した。
「……あ、」
そろそろ出そうだと思って名前(男)の顔を見た。目が合う。名前(男)の顔はスゲーエロかった。少し顔が赤くなって、声が出ないよう手で押さえている。
名前(男)の肩越しに凛々が見えた。何匹もいる。全部こっちを向いてるから名前(男)と俺を見ているような気がした。
「なー名前(男)、周り見てみろよ。大好きな凛々がお前のこと見てんぞ。」
「い、言わないでよ…!」
情けない声を出す名前(男)に支配欲が刺激されたのか、俺は自然に口角が上がるのを感じた。
「ッは、はぁッ、」
片手で玉の方をいじってみた。あんまり強くすると絶対痛いので軽く撫でるくらいだけど。
「赤也ぁ…、俺もう出るからッ、」
名前(男)の声は少し掠れ気味だ。それもなかなかエロい。
少ししてから名前(男)がイッた。俺の手の中で思いっきり。
「………あ、赤也、ゴメン…。」
「いーって、名前(男)のだし。」
これが自分のだったら凄くむなしいけど名前(男)のだから別に嫌でもなかった。
「名前(男)、すき。」
息が荒い名前(男)に欲情して、思わずキスをしてしまった。
………あ、やべ。もう今日はしないハズだったのに。
END