毒散乱銃

白石蔵ノ介・財前光/女主/logページの設定引き継ぎ/詳しくはこちら/デート編まとめ



09:53/マネージャー宅

「おはようさんマネージャー!日曜やからっていつまでも寝てたら一日がもったいないで!デートしようデート!」
「…………おやすみ」
「ちょお待ちや!寝るなアホ!」
「……何であたしの部屋に白石がいるの…」
「お母様に『彼氏です☆』言うたら超喜んで入れてくれたで」
「あの面食いが…。って言うか何?デート?」
「おう。今博物館で世界の毒展やってるから行きたいんやけど誰もついてきてくれへんから、」
「おやすみ」
「待ちや!逃がさへんで!!」
「やだもうコイツ……謙也とかを当たってよ」
「謙也は今日親戚んトコ行くから無理やって。んで小春とユウジはデートなんやて」
「金ちゃんは?」
「いやー、あの子に知識つけさせたら毒手バレるやん」
「銀さんと千歳は?」
「千歳は捕まらんかったわ。銀さんは…やって『毒見に行かへん?』なんて誘えるわけないやん!」
「財前」
「あー、アイツな。めっちゃめんどくさそうな顔して断ってきたんや。ひどい!」
「あたしも今そんな顔してると思うけどね」
「マネージャー!自分が最後の砦なんや!ホラ、イケメンとデートしたいやろ!」
「白石とはしたくねぇ」
「キィィ鬼の子!」
「アンタがさっき会ったお母様の子です。って言うか一人で見に行きなよ」
「……やって、どうせなら部員と行きたいやん。普段の様子知るためにも」
「思い切り場所のチョイス間違ってんだよ」
「…………めそめそ」
「自分でめそめそ言うな」
「………………」
「………あーもう仕方ないなぁ!その代わり変な噂立ったら嫌だから別のもう一人を誘うこと!」
「さすがマネージャーや!ほな財前にもう一回電話してくるわ。自分はとっとと着替え」
「ハイハイ」

「あぁもしもし財前か?」
「…行きませんよ。」
「いやちゃうねん、俺マネージャーと二人で行くことになったんやけど」
「………は?」
「財前は来ないんやったっけ?マネージャーの私服とかレアやしー、まぁ俺もマネージャーとデートなら全然構へんけどー、」
「……どこ集合スか」
「10時半に駅前南口。」
「……りょーかいッスわ」

「おーマネージャー、財前も快く了承してくれたわ」
「ノックしろ馬鹿野郎。……って言うか嫌がってたのによく来てくれることになったね」
「まぁ、なぁ。」


10:31/駅前

「おはようさん財前」
「…どーも」
「財前おはよー。今日は災難だねぇ」
「ホンマですわ。…ちゅーか、先輩何でスカートなん」
「白石にスカート履かないとかありえへんわって言われて仕方なく」
「…………」
「ほな行くで!早よせんと電車乗り遅れるからな」
「ハイハイ」

「電車とか超久しぶりー!高校入ったら毎日電車かなぁ」
「俺等歳取らへんで」
「そういうのいらないから。いつか高校行くから」
「………」
「どーした財前ー、あたしがいなくなったら寂しいのかー?」
「当たり前やん。超寂しいスわー。先輩がおらんかったら生きていかれへんわー」
「もっと心込めてよ!」
「マネージャーうるさいで。電車ん中では静かに」
「ゴメンナサイー」
「自分も心込めろや」


11:27/最寄り駅からの道中

「つーか最寄り駅から徒歩30分ってどういうことなの……」
「しゃあないやん、自分がバス代ケチったのが悪いわ」
「あーお腹減ったー、そういえばあたし朝ごはん食べてない!」
「ほんならちょお早いけどこの辺でどっか入りません?博物館周りなんてどーせぼったくりの店ばっかやろし」
「さんせー!財前超ナイス!」
「せやなぁ。あ、でも博物館に『毒スイーツ』の店が来とるから、そこにも入ろうな」
「……財前、何とか逃げる方法無いかなぁ」
「先輩を生け贄にして俺が逃げるっちゅー方法があります」
「よし財前生け贄な」


12:17/お昼ご飯

「パスタか…腹持ちが悪いな…。たくさん食べよう。もちろん白石のおごり」
「何でやねん!絶対嫌や」
「アーアー聞こえなーい」
「先輩アホ過ぎて笑えないッスわ(笑)」
「笑ってるじゃねーか!」
「………まぁ、俺が無理に連れ出したしな。ここは俺が奢るわ」
「白石カッコイイ男前最高超イケメン!」
「照れるわー」
「ええから早よ注文しません?」
「えーっと、あたしは蟹と海老のトマトクリームスープスパと海鮮ホワイトソースピザとデザートにティラミスとレモンジェラート!」
「………ホンマに全部食う気か?」
「……部長、先輩は忍足さんと出かけた時も焼肉5人前を食った前科があります」
「………しゃあないか。財前は?」
「小豆白玉パフェとボンゴレパスタ」
「何故パフェを先に言う。白石は?」
「んー、和風ペペロンチーノとバレンシアオレンジのジェラート。ピザは皆で分けて食べるってことなら頼んでええで」
「えー、じゃあもう一枚頼もうよ。ホラ君らも育ち盛りだし!」
「せやなぁ、財前は何がええ?」
「んー、照り焼きチキンとマヨネーズのやつ」
「あとサラダも頼もうよ皆で取り分けるやつ!」
「………俺が破産するわ」
「じゃあシーザーサラダで!わーい楽しみー!」
「部長、ゴチです」
「………あー…まぁ小遣い出たばっかやしええか…」

「スープスパって美味しいけど食べるの下手なんだよね」
「ちゅーか先輩はスパゲティの食べ方がそもそも下手ですね」
「うるさいなぁ!……白石が綺麗過ぎるんだよ」
「無駄の無い食べ方……!」
「んんーっ、」
「ストップ!公共の場でそんなこと言っちゃいけません!」
「そこまで常識外れの言葉なんか?!」
「当たり前じゃん!あと白石、『グッバイエクスタシー』って流行らすのやめた方がいいよ流行らないから!」
「自分も今エクスタシー言うたやん!」
「部長もですけどね」
「「あ」」
「………アホ過ぎッスわ」


13:52/博物館

「ついたでー!思ったより混んでるなぁ」
「何でこんなトコに人がたくさんいるの……」
「世の中に部長みたいな人がたくさんいるっちゅーことですかね」
「嫌だそんな世の中…」

「まずは薬品系の毒やな。ホラ化学で習ったやろ。……うわぁヒ素や!そういえばナポレオンの髪からはヒ素がたくさん出てきたらしいで。毒殺説もそっから…、」
「完全に自分の世界に入ってやがるコイツ…ヒ素に心踊ってる人初めて見た」
「これ彼女と来てたら絶対振られるパターンですよね」
「まだあたし達で良かったよね…」
「でも案外普通に見てればおもろいかもしれませんよ」
「うん…。あたしもっとグロテスクなものがたくさんかと思った」
「まぁここが薬品系やからかもしれませんけどね。生物系やったら色々あるかもしれませんよ」
「あたしやっぱ帰る」
「待っ…!こんな部長と二人切りとか何の拷問スか」


14:36/博物館

「フグがおるわー!フグの毒、テトロドトキシンの毒性の強さは青酸カリの約1000倍あってな、……」
「あー……そろそろ飽きたー…」
「ほんなら毒スイーツに行くか?それとも俺のエクスタシーな解説を聞くか?」
「何スかその最悪な二択」
「よし毒スイーツ行こうか」
「先輩?!」
「腹を括る時が来たんだよ…!」
「部長何か毒盛りました?」
「盛ってへんわ!」


15:14/毒スイーツ店

「これ…食べて平気なのかな」
「…多分」
「何や自分等ー!!ちょこっと色が毒々しいだけやん!」
「だって思い切り着色料…。ムラサキとピンクのゼリーとか…。いちいち禍々しいんだけど…」
「何で白玉善財が青いんや…白玉やなくて青玉やん…」
「毒キノコカラーのキノコの山とか…。何だっけコレ」
「その配色はベニテング茸やな」
「あああ…この禍々しいものがお腹に入るかと思うと…」
「先輩、それは言わへん約束やろ」
「ほなせーので食うで!せーの!」

「…………どう?」
「味は…普通やけど…」
「どっちかっちゅーと美味いけど…」
「何かアレだよね…」
「毒スイーツって見た目だけやな」
「うん、あたしもそれ思った」
「せやな。俺もてっきりほんまもんの毒が入っとるかと…。そんで皆ラリってんのかと…」
「そんなもん店で出せるわけないじゃん!」
「ちゅーか『俺も』って、一緒にせんとってくださいよ!」


17:22/博物館出口

「やっと最後のコーナーも終わったなぁ」
「広すぎんだよココ」
「しかも部長の熱烈な解説付きッスから」
「さっき人だかり出来ちゃってたし」
「学芸員やと思って話しかけてくる奴おりましたね」
「これが終わったら売店でお土産買って終わりやな!」
「え、嘘、終わり?どうせなら買い物して帰ろうよ」
「マネージャー買い物長いから嫌やー」
「散々付き合わせたヤツが何言ってんの!」
「昼飯奢ったやん」
「…………」
「先輩口喧嘩弱ッ!」
「えー…せっかくこの辺まで出てきたのにー…」
「…どないする財前」
「俺は別に。暇やし」
「しゃーないなぁ。ちなみに何が欲しいん?」
「え、特には…」
「女の買い物ってホンマに無駄多いな。謎やわ」
「いや、ここの売店のお土産のが謎なんだけど…。何が売ってんの?」
「毒まんじゅう」
「いらな!!」


18:04/駅ビル

「ホンマにいらんの毒まんじゅう。今更欲しがったって遅いからな!」
「いらねーよそんな毒々しいまんじゅう!」
「まんじゅうに謝れって感じッスわ!」
「何や自分等ー」

「駅ビルって凄い好きなんだよねー。あ、この服可愛いー。このシュシュも可愛い!」
「まぁ、こうして見るとマネージャーも女のコやなって思うわ。なぁ財前」
「……………」
「財前?どないしたん?」
「めっちゃカッコエエわあのピアス…」
「また開けるんかい自分!」
「部長は何か買わへんのですか」
「俺は別にいらんけど…」
「ね、二人とも!こっちとこっちどっちが可愛い?」
「どっちも一緒やないですか」
「せやな」
「お前等それ彼女にやったら嫌われるからやめろよ!」
「彼女にそないなことするわけないやないですか」
「キィィ!!じゃあどうすんの?」
「真面目に考えますわ」
「むかつく!じゃああたしのこと彼女だと思ってやってみてよ!」
「…………」
「…………?」
「…………」
「ざ、財前くん?」
「………ど」
「ど?!」
「…どっちも似合います」
「何それ結局真面目に考えてないじゃん!!」

「……財前おもろいわ…」


18:54/駅ビル

「夕飯どないする?」
「え、あたし超お腹減った」
「俺もッス」
「時間大丈夫か?」
「大丈夫ー、うちは緩いから」
「連絡入れれば大丈夫やと思います」
「俺んトコもそんな感じや。ほんなら何食おか」
「パスタ以外」
「当たり前やアホ!」


19:36/焼肉店

「結局焼肉かー」
「文句言うなやアホ。ええか、3人前までやからな!」
「うん。皆で割り勘にするって決めたもんね!」
「ったく、俺今日一日でどんだけ出費がかさむんや…」
「って言うか見てみて!結局カバン買っちゃった!半額だったのー」
「さっきの服は?」
「値段見たら超高かったから諦めた。あ、あと勝負下着も買っちゃった!見る?」
「これから飯食うんやけど」
「どういう意味だてめぇ」
「ま、さっさと焼いてさっさと食べませんか」
「せやな!焼きは任せとけ!」
「あ、ちょっと待ってよ白石。網を埋め尽くすその焼き方って空気入らないから効率悪いと思うんだけど」
「…………」


20:55/帰宅中

「アカン…めっちゃ遅くなったわ……」
「うわ真っ暗…。寒ッ!!」
「明日学校やしええ加減帰りましょ」
「せやな。二人とも付き合うてくれてほんまおおきに。楽しかったで」
「んー…、まぁ最初は不本意だったけどあたしも楽しかったよ」
「俺もッスわ」
「ほな、これやるわ」
「何これ?」
「ホンマは二人とも欲しかったやろ、毒まんじゅう。二人の分も買っといたからな」
「………」
「………」
「「(いらねぇ…!!)」」
「ほなまた明日、グッバイエクスタシー!」
「それ流行んないからやめなさいって言ったでしょ!」
「………はぁ、この最後のまとまらなさが先輩クオリティッスわ」


翌07:37/部室

「で、結局3人でデートしたん?」
「そうなんですよ謙也さん!よく考えたらすっげーイケメン二人引き連れてデートだよすごくね?!」
「まぁなぁ。ある意味二人っきりでデートするより噂立つかもしれへんで?」
「…確かに。めんどくさいなぁもう!」
「ま、楽しかったんやろ?ほんならええやんか」
「…ま、そっか。なかなか体験出来ないしね」
「俺も行きたかったわー」
「でも謙也が来ることになってたらあたしと財前は絶対に参加しなかったよ」
「何でやねん!」
「生け贄は一人で十分だし。また今度皆で出かけようよ。めっちゃ楽しかった!」
「せやな。…あ、でも白石がしばらく外出出来へんて」
「え?何で?門限間に合わなかったとか?!」
「金が無くなったらしいからな。お昼おごり+毒まんじゅうもくれたんやろ?そら破産もするわ」
「……あはは」
「今度は財前と自分がおごる番やからな」
「…じゃあほとぼりが冷めたあたりで出かけようね」
「最低か!」


END


お疲れさま!






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