甘味恋愛
名前(男)さんは、いつも菓子ばっか食うとる。
あ、名前(男)さんっちゅーんは部活の先輩。
千歳先輩くらい高い身長にクールな雰囲気。
頭はまぁ・・・謙也さん並やけど。
でも運動が得意(だけどなぜか平部員)
顔もめっちゃ整っててまるで人形みたいや。
そんな名前(男)さんは、とにかく甘い洋菓子が大好きやった。
「おはよー光」
「・・・おはようございます。また朝からケーキですか」
「ええやん、美味いねんもん。そういう光かて朝から善哉やん」
「善哉はええねん。美味いから」
「ケーキのが美味いわ!和菓子の何がええんかよう分からん」
「俺には洋菓子の良さが分かりません」
名前(男)さんは洋菓子が、俺は和菓子・・・ちゅーか善哉が大好き。
一見相容れそうで、まったく溶け合わない俺たちの好物。
せやけど好物のように俺たちの中は甘く甘く溶け合っている。
「あ、クリームついてますよ」
「え、どこ」
「ここ(・・・子供みたいで可愛ええ)」
「あ、ホンマや。・・・光もここ、ついてる」
ぺろり。
すっと近づいてきた名前(男)さんはそのまま俺の唇の端を舐めた。
一瞬何がなんだか分からなかったけれど、舌の触れるその感触と
目の前いっぱいの名前(男)さんの顔に、全身の熱が集まるのを感じた。
「ちょ・・・!何してんすか・・・!///」
「うっわ・・・粉っぽ・・・。あんこー」
「あんこー、やなくて!何さらすねん・・・///」
「ついてたからとってやったんやないか。何かアカンかった?」
さも当然、とでもいうようなその顔に、ため息しか出ない。
菓子食うてる名前(男)さんはガキそのものや。
幸せいっぱいな顔で満足そうに食べる・・・から、可愛ええ。
やけど普段はクールで大人っぽくて、気づけばこの人に惹かれとった。
けど、こんなん惚れん方がおかしいねん。
「ひか」
「はい?・・・・・・、んっ・・・!」
「ん、ふ・・・。甘」
「キ、キスするなら言えや!///」
「言うたらつまらん。光ん口の中めっちゃ甘いわ」
「アンタかてケーキの味っすわ・・・///」
口の周りをぺろりと舐めるそんな仕種ひとつにも思わずドキリとしてしまう俺はもう末期かもしれん。
(俺ケーキも好きやけど、やっぱ光が一番好きやわ)
(俺は・・・・・・アンタがいつでも一番やっ)
(知っとる。ん、)
(んー・・・ぅ//)
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「恋愛風景画。」の柚藍様より相互記念にいただきました!
やっぱり苦い恋より甘い恋ですよね!(…)
ありがとうございました◎