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花束を君に…(Ace x Thia)


広い海、賑やかな船、
大好きな家族と君。


八月に入ってすぐのこと、白髭海賊団の船、モビーディックは騒がしかった。

「親父!勝手に動かないでくれ!親父はゆっくりしてくれてていいんだっつったろぃ?!」
「そうだぜ親父!!」

サッチとマルコも忙しなく動いていた。サッチは厨房への出入りを幾度もしていた。
一方のマルコは全員に指示を出すという大変な仕事。

「しかし…お前ら、俺だって…」
「親父!いいから頼むよぃ!親父には二人をお願いしただろい!」

マルコのいう二人…ティアとエースのことだ。
先ほど白髭は二人を買い出しに行かせたのだ。一番近い島へ行かせた。


・・

「エース、買い出しの内容って何??」
「え、あー、んー…まぁ、いろいろだ!な!」

ニカッと笑って見せるもティアは首をかしげる。
さっきからこのやり取りが繰り返されているのだ。それもそのはず、
島についても店に入ってもまったく買う気配がないのだ。

ー親父、マルコ、皆…これ結構大変だぜ…?

ティアの彼氏であるエース。彼は重大な任務?を任されていた。
8月のはじめ。8/2は彼女であるティアの誕生日なのだ。
彼女であるティアにプレゼントを買うのはやはり彼氏であるエースの役目だろ!とサッチにいわれ、今にいたる。

―まぁ、プレゼントはあげたいけどよ…一向にほしいものがわからねぇ…

じっと見つめていると、ティアはふとエースを見上げにこっと微笑む。


「エース、どうせだから甘いモノでも食べる?」
「え?あ、そうだな…少し食ってから買い物するのもありだな…」
「買い物って…買い出し以外に何かほしいモノあるの??」

ティアはきれいな真紅の瞳でエースを見上げる。
エースはきょとんとした表情を見せてから微笑んでみせる。

「あぁ、ほしいモンあるな。」

・・・

甘いモノを食べ、二人は再び買い出しに戻る。

「クラッカーよし、あとレターセットも買ったね…」
「あ、ちょっと待っててくれ」
「え?うん」

噴水の前にティアを一人残しエースは走って行ってしまった。
とりあえず座って彼の帰りを待つ。
段々暗くなっていく空。
赤く染まった空が暗くなり始める。するとエースは戻ってきた。

「エース、欲しいモノあった?」
「あぁ、なぁ、ティア…みんなとの約束やぶっちまうことになるけど…」
「?なぁに?」
「生まれてきてくれてありがとうな」

真っ赤なかわいらしい花とオレンジ色の花の花束。
エースはティアに差し出す。

「…え?あ、俺の…誕生日?」
「あぁ、ほら、受け取れって…」

照れくさそうに花束を押し付けるエース。
ティアは嬉しそうにそれを受け取る。


「…ありがとう、エース」



綺麗な笑顔が返ってきた。
















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