とうとうお隣さんにまで怒られてしまった。
これはなんとかしなければならないな、と思った。
戸垂田小坂君は唯一のご近所さんなのだから。近所付き合いは大切に……。
「そうと決まればみんなに……」
みんなに……。みんなに?騒ぎを起こす元凶達に?五月蠅いと怒られた原因達に?
……早くも無理な気がしてきた……。

頭を抱えながら台所へ行くと、既に葉折君が朝食を作り始めていた。仙人さんの作ったものは片付けたようだ。
女装をしているものの葉折君は男なのだから、料理を作らなければいけないのだ。……自らの命のためにも。
朝食を作っている葉折君の隣には気流子さんが居た。どうやら葉折君の料理を手伝っているようだ。仲がよくて大変よろしい。……それともお互いに目的が一致しているからか……。
黒い話は考えないでおこう。

猫さんは低血圧なのか分からないけれどリビングのソファーで二度寝を試みていた。後で起こそう。朝食を食べられないのは可哀想だし。

そして……、仙人さんは何処にも居なかった。何処に行ったのだろうか?
「む、音無。客人は帰ったですだか?」
前言撤回。後ろにいた。
もの凄く吃驚した。ちょっとドキドキした。別にお化け屋敷が苦手な訳じゃないんだからね!!

言い訳ついでに新しいキャラでも開拓してみたのだけれど……僕にはツンデレは無理なようだ。まず、誰にツンデレたんだ今。
……まあ、置いておこう。

「はい。帰りましたけど……どうしましたか?」
「居候が増えていないからちょっと疑問に思っただけですだ」
仙人さんは僕の家をなんだと思って居るんだ。アパートか?
もう、既にそんな感じなんだけどさ。
なんでアパートみたいになっているんだろうな……。しかも殺されかけたし(ギャグ的にもシリアス的にも)。
「んー、いい匂いがするですだ!変態もなかなかやるですだな!」
色々考えていたら仙人さんは葉折君の方に向かっていった。
―と、それと同時に嫌な予感が僕を襲う。
この平和が崩れ落ちるような不安が……。
「……どうしたんだい?音無君」
不安定になりだした僕に眠そうな猫さんが助け船を出してきた。
「嫌な予感がするなんて……不吉だね?」
フラグは裏切らないんだよ、と猫さんは微笑む。いや、苦笑いか……。
どちらとも言えない曖昧な笑みである。
そして猫さんはそんな表情のままで「全くさ、僕は読心術なんかよりも未来予知能力が欲しかったよー」と愚痴を零した。
その表情は「そうだったら音無君の不安も解消できるのにね」と言っているようだった。……思い上がりも甚だしいだろうか?

「…………!!ワトソン君!!」

少し安心していたら気流子さんが叫びだし一気に不安が押し寄せてきた。いや油断していたところに緊張が走っただけか。

「突っ立って、るなーーーーー!!」

台所からダッシュで向かってきた気流子さんに突き飛ばされ、床に頭をぶつける。

気がつけば、天井から巨大な岩が降ってきていた。

朝だというのに、ここで僕は意識を失った…………



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