「葉折んならまだ寝てるよ〜」
「葉折ん!?」

気流子さんはあだ名を付けるのが好きらしい。

と、気流子さんが突然動きを止めた。
「おや音無君、葉折くん起きたみたいだよ」
「え?」

猫さんが指差した方向へと振り返ると、

「ぅおおおおおおとなしぃいいいいいい」
「がはぁっ!?」

どこからともなく葉折くんが飛んできた。
うーん、強烈なラリアットだ。
ってゆうか……く、首……首締まっ……!


「音無っ音無音無っ!今『葉折ん』って呼んだだろっ!呼んでくれただろっ!?何かお花畑の向こう側に誰かが呼んでて、行こうか悩んでたんだけど!音無が『葉折ん』って呼んでくれたから真っ先に戻らなきゃって思ったんだ!今思えばあれ、三途の川だな!ははははは!音無パワーの勝ちだ!音無もう一回呼んでよっ!『葉折ん』って!『葉折ん』って!葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん葉折ん!!」

「あああああああああ」

トラウマになりそうな程の後半耳打ちだった。
思わず抱きついてきた葉折さんを突き飛ばしてしまった。
まあ、変態に襲われた不可抗力として。仕方ない事だ。

棚に頭をぶつけたらしく、横たわる葉折くん
黙々と調理する気流子さん。
気流子さんの隣で僕と葉折くんを見て見ぬ振りする猫さん。

……咳き込む僕。

「げふっがふっ……ぜぇぜぇ」
「ううん、痛いよ音無ー!」
「ぎゃああああああ」

ゾンビだ!ゾンビだこの人!
皿の破片で手や額を切っているからか、そう見える!

血だらけで近寄らないで欲しい。
もう食器は諦めたから良いとして、マントはクリーニングに出さなけりゃならないじゃないか。



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