この蛍光色のサラダ、何が入っているのかもよくわからない。
とりあえず、なんとかオムライスを食べきることが出来た葉折君を一発でオトせる程の力だ。元気なうちに食べる方がいいのかもしれない。
そんな危険な代物を作った本人は僕らが死の瀬戸際で料理を食べていることなど露知らず、気づく様子もないようだ。……鈍感め……。

……さて、意を決して蛍光色サラダを一口食べる。
「ガ……ッ……っく…………」
まさかのまた電流だった……。
しかも氷とのダブルパンチだった。
多分蛍光色なのはそのせい……だと、信じたい。
「サラダ、綺麗な色だろう?僕の氷と電気じゃあ物足りないから、『青色1号』を使ってみたよ。自信作さ」
猫さんの有り難い解説が入る。
……青色1号……だと……。
青色1号は、人体に有害な物質が含まれるため、使用が禁止されている着色料だ。確か発ガン物質が入っていた気がする。
リアリティに溢れた代物だった。
いいのか悪いのかはよくわからないけれど。

「……しの……ド……」
猫さんの電流にやられたであろう葉折君が帰ってきた(魂的な意味で)。
「……音無の……メイド……」
…………。
きっと空耳に違いない。もし空耳では無かったとしたら、猫さんの料理のせいに違いない。
僕のメイドなんてあり得ない。

「メイドォォォォ!!」
葉折はそう叫ぶと一気にサラダをたらいあげた。
凄まじい……これが、変態の力……。

変態の恐ろしさを知った瞬間だった。


その後葉折君はオムライス二人分とサラダ二人分を食べ終わるとぶっ倒れた。
無論僕も一人分ではあったものの、完食すると意識が自然と飛んでいった。

お花畑が向こう側に見える川辺で葉折君と再会したのはまた別の話である。
というか、置いておきたい。本当にしたくない。YES、現実逃避。僕は死にません。

……いかん、頭がバグった。
ついでに意識が戻った。
いやー生きていて良かった。

「あ、食休み終わった?デザートあるよー」
そして再び聞こえる死神の声。
僕らの戦いは終わってなどいなかった。

そ して 、

の 戦い は

いつ
   ま
      で も
猫    さ
          ん     が
    い
          る
   か
                         ぎ
                               り


…………。



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