どうやら葉折さんも状況を理解したようだ。
食卓を囲んで僕、気流子さん、葉折君……つまり、猫さん以外は青ざめた顔をし緊張を隠せない。
……まあ、気流子さんの命は守ろう。女の子だし。
「葉折さん……、勝負をしましょう」
「なんだい?音無」
「簡単な勝負です。このオムライスとサラダを、一口でも多く食べた方の勝ちです」
「……へぇ……。じゃあ、勝った方は一回この家の中限定で何でも願いが叶うという利点をつけようよ」
「……ふふふ……いいでしょう。受けて立ちます」
ここで僕はすかさず気流子さんにアイコンタクトを送る。
気流子さんは無言で頷いた。どうやら、僕の意図を分かってくれたようだ。
「猫さーん、なんか男2人で大食い勝負したいみたいだから気流りんと猫さんの分もあげよう?」
うん。しっかり伝わっていたようだ。
僕の狙い……それは、大食い勝負と見せかけて葉折君を生贄にする。そう、葉折君には犠牲になってもらうのだ。



「「頂きます」」


僕と葉折君の譲れない戦いが始まった。



まずは恐る恐るオムライスを一口。

……これは……。
なんとケチャップらしき物はケチャップじゃ無かった。
これは……一体……っぐ…………。
流石猫さんの手料理。一口で相当のダメージだ。
「ふふ……。ソースは僕特性なんだ。今回は、マグロの刺身とラー油とパプリカと苺をミキサーにかけて、酸味をつけるためにレモン汁と硫化水素を入れてみたよ」
……どうしよう。ダメージどころじゃ……ごふっ。
「なーんてね、硫化水素は嘘だよ」
気体は入れられないよ。と、猫さんは笑う。いや……それどころの問題じゃないです。
まあ、オムライスはソース以外はだいじょ「ッ!?」ば無かった。
「そろそろ6月だからね。隠し味に氷魔法を加えてみたんだ」
口の中が大変になってる……。なんかもう、なんとも言えないくらいの大変な感じになっている。声が出せない助けて。
「ふ……音無、この勝負僕の勝ちかな?」
いつの間にか葉折君はオムライスを一皿食べ終わっていた。
歯ががちがち言っているのは指摘しないであげよう。
葉折君はあくまでも余裕を装ってサラダに手を伸ばす。そして、一口……。
「ガハァッ!!」

全く最大の敵に考えもなしに挑むなんて、葉折君は馬鹿だなぁ。

ところで、何故サラダが蛍光色の青になるのだろうか。



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