「残夏、嫌い」
彼女はそういって泣
いていた。素直に綺
麗な涙だと思った、
「ボク、何かした〜?」
まあ何をしたかなん
てボクが一番分かっ
てるんだけどね
彼女の涙を拭き取り
顔を覗き込む。あ、
目そらされた
「嫌い、大嫌い」
嫌いと繰り返しなが
ら泣く彼女、何をし
たんだろうと頭の中で必死に考えるふり
をした。
「どーなつに嫌われるような事した覚えはないんだけどなあ〜」
「っ…嘘つき!私、見たもんっ…」
何だバレてたのか。
あれは1ヶ月ほど前
ボクはどーなつという彼女がいながら他の女と関係を持った
「嘘、つきっ…」
「…ごめんね?」
「言い訳は、しないんだね」
言い訳したらどーなつは怒るくせによく言うよ、まあ言い訳する気なんてないけど〜
「どーなつ許して?」
そう言って抱き寄せながら耳元で囁けば簡単に許してくれるだろうなあ、だってどーなつはボクが大好きで仕方ないんでしょ?
「もう、浮気なんてしないでっ…!」
ほら、別れるだなんて選択肢はどーなつの頭の中にはないんだよ
「…約束するよ〜」
ボクは今日も嘘を吐きながらどーなつを押し倒す
(愛してるよ?)