「いらっしゃいませ」


何故か引きずられていた少年と、少年を引きずっていた女性が店に入ってきた。

(どこかで見たことがあるような・・・)

よく見てみるとそんな気がする綺麗な顔をした少年。

と、よく似た女性。

似ているから姉弟かな、と推測しつつ、


「どうぞ、こちらへ」


他に客はいなかったので、入口で立ち尽くす2人を4人席に案内する。


「「あっ、はい・・・・・・」」


顔を見合わせてから、お姉さん(と思われる女性)は弟(と思われる少年)を掴んでいた手を離し、席に座った。

それを確認して、カウンターの中に戻る。





・・・・・・・・・シーーーン・・・・・・


メニューを見るでもなく、話をするでもなく、私をジッと見ている姉弟らしき2人。

(さすがに気まずいなぁ・・・)

カップを拭いていた手を止め、顔を上げると、2人とばっちり目が会った。


「「「・・・・・・・・・」」」


やはり何も言わないので、首を傾げながら、


「何か?」


と問うと、あたふたと慌てだした。

あ、えと、とか、すす、すいませっ、とか、いや、あー、ううー、とか・・・・・。


くす、と。


思わず笑ってしまって、2人がピタッと動きを止めたのを見て、さらに笑ってしまう。


「ふふ、すみません、慌てる様子がよく似ていて、おもしろかったものですから」


言いながらもまだ笑っている私を見て、2人はまた顔を見合わせて、にこりと笑った。

よかった、と思いながら、


「コーヒー、飲みますか?」



と、聞いた。




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遅くなりまして・・・すみません!

今後もっとがんばります!!


読んで下さってありがとうございました!






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