「りょーた!出かけるわよ!!支度しなさい!」
せっかく部活が休みだから、昼くらいまで寝ていようと思ったのに、ねーちゃんの怒鳴り声で目が覚める。
・・・眠い、無視しよう。
───バァンッ
「おーきーろー!!」
布団を剥がされて、仕方なく起き上がる。
「もう少し寝かせてくれたっていいじゃないっスか・・・」
「何言ってるの!今から出かけるの!早くしてよ!!」
げしっ、と背中を蹴られ、痛いっスー、と喚いても無視され、すたすたと部屋を、出て行ってしまう。
こうなるとどうしようもないので、ため息をつきつつ、支度を済ませる。
リビングについて、朝ご飯ー、と思ったら、
「そんなん待ってられるか!」
という声とともに、襟をつかみ、ひきずられる。
「え、ちょ待っ、朝ご飯!!」
「用意してないわよ、何時だと思ってるの!10時よ?!」
「早い方じゃないっスか!!」
「私は急いでるの!あんたが飯食うのなんか待ってられるか!!」
何を急いでるのかは分からないが、理不尽な理由で連れていかれる。
・・・・・・どこに?
「あ、あのーー、ねーちゃん?」
「何よ?!」
「何そんな怒ってるんスか!?いや、どこに行くのかな、って・・・」
「あー・・・カフェよ、カフェ」
少し落ち着いたらしいねーちゃんがいうには、友達がこの前見つけたという路地裏の、カフェに行きたいから俺を連れてきたんだそうだ。
「・・・なんでっスか?!」
「イケメンが働いてるかもでしょう?でも、1人で行くのは少し怖いじゃない?」
「・・・・・・・・・・・・」
ねーちゃんは、この前彼氏に振られ、それ以来ちょっと “イイ男” を探すと言っていた。
なるほど・・・・・・・・・
「あ、ついたわ、ここよ」
そこは、少し見つかりづらいところにあって、でも確かに素敵な感じの店だった。
「イケメンいるといいな・・・!入るわよ!!」
「え、あ、自分で歩けるっスよ!!」
結局ひきずられて店の中に入る。
外観と同じく、中も素敵で、丁寧に掃除されているのかすごく綺麗だった。
でも。
中にいたのは、イケメンではなく。
というか男でもなく、
「いらっしゃいませ」
とても綺麗な、女の人だった。
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黄瀬くんの1話です
どうでしょうか・・・・・・・・・
おねーちゃんにひきずられる黄瀬くん←
休みの日とかは振り回されてたらいいな、なんて・・・
小さい頃は女装させられてたり・・・!!
失礼いたしました・・・
ここまで呼んで下さってありがとうございます!