なつまつり

※セトシンです



***シンside


暑い。
なんでこんなに暑いんだ。
夏だからだろうけど。わかってはいるけど。

今日も今日とて、メカクシ団のアジトでだらだら過ごす。

この暑い中、キドとモモ、そしてマリーは3人で買い物に行った。
いや、3人じゃないか、エネもキドのスマホに移って一緒に行くと言っていたから4人か。
あいつがいないから静かに過ごせる。


そういえば今日のセトはなんだかおかしかった。
いつも通りバイトに行こうとして、カノにニヤニヤ話しかけられてから、慌てたように俺の所に来た。


「し、シンタローさん!」


なぜか挙動不審でそわそわしているセト。
・・・それを後ろからニヤニヤ見ているカノ。


「なんだ?」


セトの方を向いて答える。


「そ、その、今日1日、絶対ここから出ないで欲しいっす!」

「・・・?もとから出るつもりないぞ」

「そうっすか!!」


変な頼みだとは思ったが、こんな暑い日に外出するわけもなく。

そのまま答えると、何故か嬉しそうなセト。
結局よくわからないまま、セトはバイトに行ってしまった。

・・・・・・気になる。
なんでこんなに気になるんだ。


「ねぇねぇ、セトなんか楽しそうだったねぇ」


1人考えていると、カノが貼り付けたような笑顔で話しかけてきた。


「・・・そうだな、ま、俺には関係ないけど」

「またまたぁ、そんなこと言っちゃってー」


ムカつく笑顔で言いながら近寄ってきた。
暑いのに隣に座る。


「ハイ!これはなんでしょー?」


カノは1枚のチラシを取り出して、俺に突きつけてきた。
・・・・・・夏祭り?・・・・・・しかも、今日。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・もしかして、


「もしかして、デートなのかなぁ?」


・・・・・・まさか、そんなわけ。


「シンタローくんに見つかりたくなかったから家にいろ、とか言ったのかなぁ?」


・・・・・・・・・別に、隠すことないだろ、きっと違う理由が、


「今日朝からテンション高かったしぃ?」


・・・・・・そんなの気のせいだ、


「いやぁ気になるねぇ、セトはモテるもんねぇ?」


・・・・・・確かにアイツはかっこいいし、良い奴だし、モテるだろうけど。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「シンタローくん?どしたの、そんな怖ーい顔して」

「・・・・・・別に、なんでもねーよ」

「ふーん?」


そうだ、別にセトが誰かとデートしようが俺には関係ない。
なんでこんな気にしてんだ。

あーイライラする・・・・・・


「俺寝るわ、起こすなよ」

「はいはーい」


カノのにやけ顔を見て、またイライラしつつ、ソファで寝るとこにした。







──ガチャ

「ただいまっす!!」


だいぶ寝ていたみたいで、もうすっかり夕方だった。


「あれ、シンタローさん寝てたんすか?」

「・・・・・・」


・・・え、なんでセトが?
祭りにデートしに行くじゃなかったのか?

いや、あれはカノの妄想か、
なんだ、
デートじゃなかったのか・・・・・・

あれ、なんでホッとしてるんだ・・・?


「シンタローさん??」

「お、おお、悪い、なんだ?」


セトに顔を覗き込まれてびっくりして返事をする。


「どーかしたんすか?」

「い、いや、どーも

「シンタローくんはね!セトが祭りにデートしに行くんだと思って嫉妬し

「ちちちちげぇよ!!」


焦ってカノのところへ行き、その頭を勢いよくひっぱたく。


「いたーい」

とか言いつつニヤけているカノをほっといて、セトを見ると、

何故か顔を真っ赤にしていて。


「し、シンタローさん・・・」


「な、なんだよ・・・・・・」


「そ、その・・・俺が夏祭り、誘おうとしてたのはシンタローさんっすよ・・・」


顔を真っ赤にしたまま言われて、俺も顔が熱くなる。


「・・・そ、そうか」



「・・・そうっすよ」



「じゃあ、その・・・・・・行くか、セト」


俺がそう言うと、セトはまるで子供みたいに無邪気な笑顔になって、


「はいっす!!」


と答えてから、俺の手を引いて、夏祭りへと向かった。



end





*********

リクエストしてくださったぞえさま!

夏祭りをテーマに書かせていただきましたが・・・

どうでしょうか・・・・・・・・・


ぞえさまのみ、訂正依頼&お持ち帰りOKです!


駄文ですがリクエストありがとうございました!





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