「テマリ、外出ろ!」
深夜0時。
突然の彼氏からの電話にテマリは目を覚ました。
「んえ?」
起きたばかりだから頭が働かない。電話の向こうでシカマルは笑っていた。
「今お前ん家の前にいんだ。出てこいよ。」
言われたままに、寝巻の上にカーディガンだけ羽織って外に出る。さすがの12月の深夜は冷えていて寒かった。
「お、来たな。」
「夜中にいきなり呼び出すな。」
不機嫌そうにしたが、シカマルは意に介さずな様子で「あんたに見せたいもんがあんだ。」と言った。
白い息を吐きながら、静かな夜道を歩く。途中、テマリはシカマルに何を見せたいのか聞いたが彼はただ笑うだけだった。
テマリはシカマルの意図が分からなかった。
向かったのはいつもデートで行くシカマルの特等席。
「?何でここなんだ?」
するとやっとシカマルはテマリに見せたいものを教えてくれた。
「空見てみろ。」
「空?………あっ、」
声を上げて驚いた。夜空に流れ星が流れていたのだ。それにともない、幾千もの流れ星が流れて行く。
「流星群…!」
「ああ、ふたご座流星群だとよ。」
「綺麗…。」
生まれてはじめて見た流星群。テマリの口から素直な気持ちが言葉に出た。
シカマルはまた嬉しそうに笑った。
しばらく流星群に見とれていた。
しかしいくらテマリでも寒さにはやっぱり勝てない。
寝巻にカーディガン姿だから、身震いしてしまった。
「寒いな…。」
するとシカマルは特等席に座り、テマリを自分の膝の間に座らせて抱きしめた。
「何をするんだシカマルっ!!」
「こーすれば寒くねーだろ…。」
「……バカッ。」
そう言ったテマリだが、まんざらでもない様子だ。
流星群のことをわざわざ教えてくれたシカマルに愛しさが込み上げてきた。
「(あったかいな…。)…シカマルありがとう…。好きだ」
「ん…俺もテマリが好き。」
シカマルとこうしていれることがすごく幸せで。
シカマルとずっといられますように。
ひそかにテマリは流星群に願ったのだった。
END
那奈様リクエスト、「真冬の夜中に星を観に行って寒い中甘々してるシカテマ」でした!現代パロに致しました^^
いやあ、リクエストにちゃんと応えれてるか心配で仕方ないです…!最後突っ走ってしまうのをホント直したいです。
那奈様、リクエストありがとうございました!
そしてここまで読んで下さってありがとうございました!