「俺さ、最近気になるっつーか、いいな〜と思ってる人がいるんだよね。」


それはキバの一言だった。昼休み、屋上で弁当を食いながら発した何気ない一言。

「へー。」

カップ麺を啜るナルトが返事した。しかしこいつはカップ麺に夢中である。キバの話にそれ程興味を持ってないようだ。

まあかく言う俺や、隣にいるチョウジも同じようなものだが…。

「おい、なんだよその反応!つれねー野郎だな!」

「あーあー、うるせーってばよ。」


実はキバのこの手の話は、毎度の事なのである。俗に言う年頃の男子と言うか…まあはっきり言えば、女子に興味があるらしい。

それでよくあの子がどうとかこの子がどうとかと言う話を始めるのだ。

今日もいつものように始まったと何気なく聞いていたのだが…。



「俺今回はマジかもしれねえ。」


「「「えっ。」」」

正直驚いて、三人そろって声を上げた。

はあー、と深く大きな溜息をついて俯いているということは、本当だと言うことなのか。

あの結構乗り換えが早いキバが…。

そんなキバをここまでにさせる女とは、どういう奴なんだろうか。

なんだか知りたくなってきて、でも聞くのは俺の柄じゃない…とグズグズしていると、チョウジが俺の代弁をしてくれた。

「ね、相手って誰なの?」

「え…聞いちゃう?」

「キバ、テメーが始めた話だろ!」

「なんだよナルト、偉そうに…うーん、そうだな…。」

キバはそう言ってニヤニヤし始めた。

相手を思い出すだけでニヤけてしまうほど好きらしい。それとも違う意味でいい女なのか。
いつも口角を上げているような奴だからよく分からない…。


「実はテマリさんなんだよな。」

「うえー!それって我愛羅の姉ちゃんじゃん!」

「そうだよ悪いか!」

「いやあ、ちょっと驚いただけだってばよ…。」

「…まあ別にいいけど。つーかさ、テマリさんってスタイルいいよな?ボンッキュッボンだぜ!」

「えー、俺ってばテマリよりサクラちゃんみたいなスレンダーの方がいいってばよ。」

「バーカ、サクラよりテマリさんだろ!すっげーエロいじゃん。」

キバとナルトが話しているのを余所に、俺は弁当を持って立ち上がった。三人に背を向けて屋上を後にする。するとチョウジだけが声を掛けてくれた。

「あれ、シカマルどこ行くの?」

「トイレ。」

一番の親友にそう嘘をつき、俺の足は高等部の校舎へと向かっていた。

昼休み、いつも図書室にいると"あの人"は言っていた。

ズボンのポケットに手を入れて、弁当を片手にぶら下げながら廊下を歩く。キバに対して沸き起こる怒りを心の内に治めながら。

図書室に入ると、あの人の姿はなかった。どうしたと周りを見渡しながら歩くと、後ろから声を掛けられた。

「なんだ、シカマルじゃないか。」

その声の主はテマリだった。たった今、俺が探していた人。俺はテマリより早くここに来て、彼女は今来たばかりのようだった。

「どうした、シカマル?」

そう優しく微笑むテマリの腕を引いて、俺はテマリを抱きしめた。

「ばっ…こら、何をするこんな所で!」

「……。」

「…どうした、シカマル?」

「別に…。」

テマリに理由なんて言いたくない。

先程の、屋上での事なんか。

テマリの事をあんな目で見てほしくなかった。まして彼女と付き合っている身の俺の前で。

本気だとか言ってるくせに、結局体目当てなんじゃないか…。

そんな奴にテマリは渡したくない。


もっと強く抱きしめれば、テマリも俺の背中に腕を回した。



END


お待たせ致しました、サミー様リクエストでした!

いろいろはしょった感じになってしまいました…すみません。

シカマルくんがテマリさんと付き合ってるって言うのを知らずに、本人の前で好きだと語るキバ…からのシカマルくん独占欲という話なんです。←わかりずらい。

他にいろいろツッコミどころがありますが、大目に見てください(^p^)

サミー様、リクエストありがとうございました!何かありましたらbbsに是非!

そして、最後まで読んでくださりありがとうございました!
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