茶屋でくつろいでいたときだった。
シカマルと何気ない会話をしていたナルトだったが、いきなりハッとなって立ち上がった。
「んあ?どーした、ナルト。」
「シカマル…皆で肝試ししよーぜ!!」
「はあ!?」
肝試しだと…。
めんどくせぇなと言いたげな目で、シカマルはナルトを見た。
「皆呼んでさぁー!絶対楽しいってばよぉ。」
「お前なぁ…。」
「大ー丈夫!めんどくせぇことはお前にはさせねぇ、幹事?は俺が引き受けるってばよ!ルールだって決めてあるんだぜぇ。二人一組になってぇ…」
…二人一組?それを聞いたとたん、シカマルは苦笑する。
「お前、皆で肝試しっつってるけど、ホントはサクラと二人きりになりてーだけじゃねーのか?」
「!!!」
ナルトの過剰な反応。
「ぜっ…全然ちちちっ違うってばよ!」とか言っているが、逆効果。
図星か…。
「下心ありだな。」
「ないってばよ!」
「つーかよ、お前ら同じ班なんだからいつも一緒だろ。」
「そうだけど…。でも他にサイやカカシ先生やヤマト隊長が…。」
シカマルはため息をついた。
「そんな下心ありありな肝試し、付き合ってらんねーな。…俺は抜けるぜ。」
そう言って立ち上がり、茶屋を後にしようとしたとき。
「我愛羅達も呼ぼぉっと…。」
ナルトの声がした。
「呼んだらさー、三人とも来るだろうなー…。お前がいないこと知ったら、テマリはどう言うかなー。」
うつむき、低い声でつぶやくナルト。
シカマルには、それは自分を肝試しに参加させる作戦だということを知っていた。
しかし。
テマリも来るのか…。
だとしたら話は違う。
ナルトがうつむき加減でまた話す。
「この肝試しはさー…。俺の都合でもあって、シカマルのことも思って思いついた企画なんだってばよ…。テマリ、この間お前に会いたがってたからよぉ…。せっかくはるばる来たのにお前に会えないなんて知ったら…あいつ…うっ…ううっ…。」
シカマルは、振り向いてナルトを見た。肩を震わせている。
ナルトはと言うと、泣いているようにも見えたが、実は俯いているのをいいことに、笑っていた。
こいつ、ホントめんどくせーやつなのな。
そう思ったシカマルだったが、
「わかったよ。肝試しに参加する。…で、場所は?」と言った。
するとナルトの顔が明るくなる。
「よっしゃー!場所は木ノ葉の森、来週の夜7時に集合だってばよ!」
「そうか。」
それだけ言ってシカマルは出ていった。
その後ろでナルトは、お前も下心あるんじゃねーか、と心の中でつぶやくのだった。
そして肝試し当日。
集合時間ギリギリに木ノ葉の森に着くと、既に全員集まっていた。
いつも通りの15人といったメンツ。
サクラ、いの、ヒナタと話しているテマリを見つける。
テマリも気づいたらしく、シカマルのほうへ駆け寄ってきた。
「よぉ。」
「久しぶりだな、シカマル。遅かったじゃないか。」
「まあな。」
「ホントは怖いんじゃないか?一度は断られたとナルトから聞いたぞ?」
「なっ…ちげえよ!」
一言多いんだよ、こいつもナルトも!
そのやりとりを後ろで見ていたいのは、不服そうだ。
「ちょっとー!久しぶりに会ってんのに、会いたかったーって抱き着いたりしないのー?」
「いの…人前で恥ずかしいわよ…。」
しかし、現にいのはサスケに抱き着いたことがある。
ヒナタはと言えば、ナルト君と一緒のチームになれたらいいな、なんて妄想。
ヒナタの妄想はどんどん進んでいく。
真っ暗な森の中を、提灯のあかり一つを頼りに、ナルトとともに進んでいく。
すると、足元の石に気づかなかったヒナタは石につまづいて転んでしまう。
「キャッ!!」
転びそうになった瞬間、ヒナタはナルトに腕をつかまれ、助けてもらう。
「ヒナタ、危ないってばよ。」
「あ…ありがとう…。ナルト…君…。」
「お前は俺が守ってやるってばよ。」
「ナルト君…。」
みるみるうちに赤くなるヒナタの顔。
二人は見つめ合い、そして…
ヒナタの顔がボッと赤くなる。
なんて妄想してんだろ、私。
「よぉーし!皆、集まったなぁー!」
ナルトが叫んだ。
「早速くじでチーム決めだってばよ!同じ番号の奴と組むことな!そんでもって、赤いくじ引いた奴はお化け役な!」
皆わらわらとナルトの周りに集まってきた。
「じゃー、幹事の俺から引くってばよ!」
皆、ナルトの手元をじっと見つめる。
緊張感が走る。唾を飲み込む音が聞こえる。
その中でシカマルは、こいつら馬鹿だなと思っていた。
最初なんだから、何番引いても一緒だろーが。
ナルトが引いたのは、先端が真っ赤なくじ。
「ええぇえぇぇえぇえっ!!」
嫌だーっと喚くナルトと共に、ヒナタもがくっとこうべを垂れた。
「おいおいうるせーぞ、ナルトォ!」
うるさいナルトにいらいらしてきたキバがそう言った。
「黙れ黙れーっ!俺は自らお化け役したくて肝試し計画したんじゃねーんだってばよ!サクラちゃんと二人きりで…」
「何企んでんだ、コラッ!」
ドゴッ
「うぶっ!」
すかさずサクラの鉄拳を喰らい、ナルトは地面にたたきつけられた。
「お前はお化け役に一番最適だと思うぞ。」
「シノ…。」
「なぜなら、お前は影分身の術を持っている。それに、幹事だからな。」
「あ、そっかあ。なら、お化け役はナルト一人で十分ねっ!!」
テンテンがにこやかにそう言った。
そして、「やっぱりお前は苦手だ、シノー!」と喚くナルトをよそに、シノはくじを引いた。
「…4番だ。」
「あ?俺と一緒じゃん。」
「ム…」
シノとカンクロウのペア。
険悪な奴らがペアで大丈夫なのかよ、と思いながらシカマルもくじ箱へと手を入れた。
「2番ね…。」
続いてテマリ。
「あっ、2番!ということは、シカマルと一緒か!?」
「おう。」
…まじか。
満面の笑みのテマリ。
くそっ可愛すぎんだよ。
全員くじを引き終わりペアが決まった。
1番は我愛羅とリー、2番はシカマルとテマリ、3番サクラ、いの、4番カンクロウ、シノ、5番ネジとヒナタ、6番サイとチョウジ、7番キバとテンテン
…である。
なんかありきたりっつーか、見たことあるペアだよな。ほとんどが。
シカマルの思いをよそに、肝試しが始まった。
肝試し2に続く。
…一体何を書きたいんでしょうか(^-^;
シカテマ全然ないじゃない!!ひぃぃ((゜Д゜ll))
すみません、次の肝試し2では甘くします!