眠れない。全く眠れない。

午前1時を少し過ぎた頃。いつもなら熟睡しているこの時間になっても、俺は全く眠れなかった。

ドキドキと高鳴る心臓。そのせいで体温があがり、余計暑い。いつも付けている扇風機だって効きゃしない。


そしてあのことを思い出すとまた更に眠れなくなる。

………



昼間、テマリを部屋に連れ込んだ。

……連れ込んだなんて言い方悪いな。まあ付き合って結構経つし行ってみたいとテマリが言ったのだ。

正直心臓バクバク状態。そりゃ彼女を自分の部屋に連れていくんだから当たり前だろう。ドキドキしないなんてのほうがおかしいんじゃねぇか…と思う。個人差あるだろうけど。

平然を保ってテマリを家に連れていった。

そして俺の部屋に入れる。部屋の中は殺風景だし散らかってるしでテマリが期待するようなもんじゃねえと思った。案の定その事でテマリに少し小言を言われたが。

椅子がわりに二人してベッドに腰掛ける。

最初は他愛もない話をして、何気なく過ごした。

しかし何話してたのかは覚えてない。

ただテマリが俺の部屋にいることが新鮮で。くすぐったくて。テマリの事しか考えられなくて。

そして近くにあった手と手が不意に触れ合って、キスをした。

それはただ軽く触れるようなものだった。しかしその時の俺にとって1秒がとてつも長く感じられ、窒息死するような思いだった。




……そういうわけで眠れない。

キスは俺からした。

あの時…手が触れ合った時のテマリの顔を見て、キスしたいという思いが込み上げてきたからだ。

テマリの甘い吐息。嬉しそうな、照れ臭そうに笑った顔。それと、耳まで真っ赤にしたテマリ。

思い出すとこっちまで恥ずかしくなってくる。

そういえば、ここがその現場なのだ。目を閉じると、テマリの匂いがしたような気がした。



カーテンを開ける。俺はロマンチストでもなんでもねーが、夜空を見上げてこう思った。


テマリは今何をしているんだろうか。


END

かな様リクエスト、「シカテマで初めてのキス」でした!

キスした後の話です!なんだかお題に沿えてません。ごめんなさい!

かな様ありがとうございました!これからもよろしくお願いします^^
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