それは星が瞬く、静かな夜だった。




第四次忍界大戦。

暁は五影会談を襲撃し、宣戦布告をしてきた。あのお面をかぶった、マダラとかいうやつだ。実際私はその場にいたから、この目でしっかりそいつを見ている。

あれから着々と戦争の準備が進んでいった。

別に私は死に対して怖いなんて思ったことはない。何かを守るためなら死んだって構わないと思っていた。しかし、



「よぉ。まさかこんなときに会えるとはな……。」



「あ…。」


同じ部隊に配属されたのか。

今、シカマルを見て嘘をついていた感情が一気に湧いて出る。


死ぬのが怖い。


いつからだろうか、そう思うようになったのは。…多分この男、シカマルに会ってからだと思う。

戦争だ。いつ死ぬかわからない。忍はいつも死と隣り合わせなわけだが、戦争というだけで妙な緊張感に襲われた。

それと同時に、恋人であるシカマルに触れたいとも思った。




その感情はどうしても治まらない。シカマルと話すだけで、シカマルの横顔を盗み見るだけで、声を聞くだけで想いはどんどん膨らんでいく。

シカマルと一緒に配属された秋道チョウジを入れて、三人で話していてもそれは同じだった。


「少し外出ねえ?」

ある日の夜、シカマルは私にそう言った。作戦会議の後で根気つめていたから、気晴らしにでもと思ってそう言ってくれたのだろう。

二人きりでというのに戸惑いを感じたが、行くことにした。

二人でテントを出る。夜の外は少し寒くて、しかしそれが心地好くて思わず伸びをする。シカマルとテントから離れた森の中を歩いた。空を仰ぐと木々の間から見える夜空がなんとも綺麗で、現実を忘れさせてくれた。

「……。」

「どうした?シカマル…。」

ふいにシカマルは立ち止まった。

不思議に思って声をかけると、シカマルは悲しそうな顔をしている。

「戦争…なんだな。」

「あ…あぁ。」

「こんな時だけどよ、正直あんたと同じ部隊で嬉しかった。」

シカマルは続けた。

「俺達ゃどうなるかわかんねえ。もしかしたら明日には死んでいるかもしれねえ。そう思うと…すごく怖くなる。」

私の心がドクンと言った。だって、シカマルの言っていることが私が考えていることと全く一緒だったからだ。

これから先、こいつの話を聞いてはいけない。早くテントに帰ろう。

そう思った。しかし、口は思っていることと正反対の言葉を出そうとする。いや、それが本心だったかもしれない。

「何が言いたい?」

「……もう…我慢ならねえんだ。」

シカマルがそう呟いたのを聞いたかと思うと、一気に視界が夜空に変わった。

シカマルに押し倒されたのだ。

「わりぃ…。」

そう言うとシカマルは私に深く口づけてきた。

「ん……んん」

息が苦しい。ドンドンとシカマルの胸板を叩いたが、キスのせいで力が入らない。シカマルにはそんな抵抗は全く効かなかった。

その時、私の腕に何かが纏わり付いた。よく見ると、それはシカマルの影。胸板を叩かれるのが嫌だったのか、術を発動して私の動きを抑えたのだ。

影は腕に体に足に巻き付いてくる。身動きができない。シカマルは本気なのか。

私だってシカマルと同じ気持ちだった。しかし、こんないきなり、しかもこんな所ではまだ心の準備が…。

「あっ……。」

首筋を舐められた。

「ひぃっ…ちょっとシカマル…!」

「……。」

それも虚しく。全くもってシカマルは聞く耳をもってくれず、だんだん行為はエスカレートしていくばかり。私は耐えるために下唇を噛んだ。

「……!」

次の瞬間、体が軽くなったのを感じた。ハッと空を見ると、月が雲で隠れている。私を縛る影が解かれたのだ。

すかさず私はシカマルを殴った。シカマルは痛さに唸り声を上げたが、我に帰ったように焦りの表情を出す。

「すまねえ…俺…。」

「何すんだ。お前らしくない……。」

「テマリ…。」

「………。」

「…今の忘れてくれなんて…都合がいいよな?」

ちらりと横目でシカマルを盗み見た。シカマルは今の行動に悔やんでいるようで、私に背中を向けている。

何故かその姿が心に染みて、私は無意識にシカマルを抱きしめていた。

「え…。」

「お前の気持ち、わからなくはない。私だって死ぬのは怖いし…お前に触れていたい。」

「……テマリ。」

我ながら何を言ってるんだと思った。しかし、本音を言ったつもりだ。さっきは驚いてしまったが今なら…。



シカマルに抱き寄せられ、キスをする。シカマルの影が私の忍服の帯を解く。彼の手がひそかに震えているのを見て、シカマルの服を掴んだ。


ガサッ

「いやースッキリした。」

「テントにトイレないんだもんよ、ここまで来るしかねーんだよ……な……。…………ん?」

「「!!」」

同じ部隊の連中と出くわしてしまった。トイレを済ませるため、森の中まで来ていたのだ。

気まずい沈黙の中、暫く四人で固まって見つめ合っていた。冷や汗が流れる。だってこっちは服がはだけているんだぞ…!

最初に叫んだのは向こうの二人組の男だった。

「「う…うわあああ!すんませんでしたああ!」」



その後シカマルは石のように固まって動けなかったため、結局未遂で終わった。

END


完成致しました、りょ様リクエストでした!初めての微裏ということでホントに申し訳ないという気持ちでいっぱいです。

お友達にも手伝っていただきました。

でも…管理人は裏を書く才能がないとはっきりわかりました← ごめんなさい!

りょ様、リクエストありがとうございました!またよろしくお願いします!

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