プルルルル…
彼女を待つこの時間が一番待ち遠しい。
《もしもし。》
「よぉ。」
《シカマル…今日は早いな。》
電話の向こうでテマリが笑ったのが分かった。
学校が違う俺とテマリは、毎日会えるわけではない。だからこうして夜に電話をかける。
本音を言えば会って話したい。
しかし遠く離れて住んでいる俺達にはそんなことは難しく。電話でテマリの声を聞けるだけで幸せを感じた。
「あんたの声が聞きたかった。」
《くさい台詞を…。》
「今日何した?」
《学校行ってたに決まってるだろ。》
「ふーん…。」
《あ、あと今日カンクロウの誕生日でさ、我愛羅と一緒にハンバーグ作ってお祝いしてやったんだ。カンクロウ泣いてたぞ。》
頭の中にその光景がなんとなく浮かんで、口角が上がるのが分かった。
「そりゃよかったな。あ、俺からもおめでとうって言っといてくれ。」
《ふふ…ちゃっかりしてるなお前。分かった、言っておく。》
「………。」
やっぱり会いたい。
声だけじゃあ物足りない。
俺はベッドに横になって目を閉じた。
「なあ。」
《ん?》
「今度会えねーかな。」
《いきなりだな。そうだな…今度の週末なら大丈夫だぞ。》
「じゃあ俺そっち行くからよ。」
《泊まる…か?》
「な…」
予想もしなかったテマリの発言に体がビクッと震える。その衝動で俺はベッドから落ちて思いっきり腰を打った。
鈍い音が響き、下の階から母ちゃんの声がして「なんでもねえ。」と嘘をついた。
《何取り乱してんだバーカ。》
「あ…あんたがわりぃんだ!んな事言うから…!」
《嘘に決まってるだろ。》
「……ったく。」
《そういうのはお前がもう少し大人になってからな。ヘタレなシカマルくん。》
「…からかうんじゃねーよ。」
《分かった分かった。》
こういうとき、時間は経つのが速い。
気づけばあっという間に深夜で、外を見ると家の明かりがポツポツとついているだけだった。
《そろそろ切るな。》
「あぁ。」
《おやすみ「テマリ。」
《…何だ?》
「その……好きだ。」
《うわっ…何言い出すんだお前!気持ち悪い…。》
「うっせ…。悪かったな気持ち悪くて。」
《嘘だ嘘。……私もお前と……同じ事想ってる。》
そう言うとテマリは一方的に電話を切った。
目を見開き、携帯の画面を見る。
テマリの言葉が頭から離れない。
"……私もお前と……同じ事想ってる。"
甘い言葉なんて性に合わないから俺達は使うのに慣れていないし、例え思ったとしても言わない。
素直じゃないテマリのあの言葉は「好きだ」という意味なのだ。
「あいつ…。」
嬉しさ半分、恥ずかしさ半分。
携帯を閉じて、俺も寝ることにした。
END
丸様リクエストでした!
最後訳の分からない終わり方になってすみませんm(__)m
カンクロウの誕生日は5月15日で、日曜日なのですが、曜日は話の都合上無視しました笑
丸様リクエストありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!