「……。」
テマリを家に呼んだ。テマリと付き合いだしてから初めてだ。
テマリを家に呼んだことは何度もある。が、「付き合っている」と意識すると緊張した。
だが、それは俺だけなのだろうか。
テマリは俺のベッドに座って本を読んでいる。鼻歌まで歌っていることから、全く緊張感はなし。
俺はこんなにも余裕がねえってのに。
なんだかそんな状況に嫌気がさして、テマリに何かしてやりたくなった。
「おい。」
そう言ってテマリの顔を覗き込めば、「ん?」とテマリからの返事。と言ってもそれだけで、目線は本のまま。
いよいよイラついてきた。
テマリから本を奪ってやる。
「何をする。」
「あんたが悪いんだぜ。」
そのまま暫く見つめ合っていると、部屋の中の空気というか、気分だろうか、それがとても甘く染まった。
テマリの翡翠色の瞳、スッとした鼻筋、やんわり赤みを帯びた頬に小さな口。
全てが愛しく、もっと顔を近づけるとテマリはフッと笑った。
「なんだよ。」
「お前…ませてるなあ。」
13歳のガキのくせに。
なんて俺を馬鹿にしやがって。
13歳と16歳。そして7pという身長差。
やっぱり俺はそういう風にしか見てもらえていないのか、と少し悲しくなった。だが言われてばかりでは男としてどうかと思う。
「んな事言ってるくせに、あんた顔赤かったぜ。」
「そんなんじゃない。」
「どうだか。」
「調子に乗るな!別にお前なんか…」
この人はデレというものを知らないのだろうか。まあいいんだけどよ。
俺はこの人のあの笑顔に、そして全てに惚れた。
だからこんなあまのじゃくな事言われても、許してしまう。
「泣き虫くんのくせに。」
「まだ言ってんのかよそれ…。」
思わずこぼれるため息と苦笑い。
それと同時にテマリに釣り合う男になりたいと思った。
そうだな、まずは身長を抜かさねーと。
END
けい様リクエストでした!第一部の状態で付き合ってるという設定に致しました。
しかし…最近小説書いてなかったのでグダグダ感ハンパないですね…。すみません!けい様批評はなんなりと!
リクエストありがとうございました!これからもよろしくお願いします!