「テマリさんってスタイルいいよなあ?」
それはある日の午後、甘栗甘でキバが発した言葉だった。
さっきまでラーメン談義やら赤丸談義をしていたくせに、いきなりそんな話を振るからチョウジは団子を喉に詰まらせそうになった。
「テマリぃ?」
「おーよ!俺この前見て思ったんだけどよー、ありゃかなりのボンッキュッボンだぜ!」
「んー、あーたしかに!」
ここにシカマルがいなくてよかった。
ナルトとキバがケタケタ笑いあう中、チョウジは切にそう思った。
この二人なら、話がエスカレートすることは間違いない。それをシカマルが聞いていたら不憫で仕方ないのだ。
気づけば二人は予想通り、チョウジ自信耳を塞ぎたくなるような話をしはじめた。
「ね…ねぇ、もう止めようよそんな話ぃ…。」
と、その時。
あの人物はやってきたのだ。
あの人物とはもちろんシカマル。隣にはテマリも連れてこちらにやってくるではないか。チョウジは小さくなった。
しかしそれも虚しく、シカマルはチョウジに気づいてしまう。
「お、奇遇じゃねーかチョウジ!それにナルトにキバも…。」
「「タイムリー!」」
ナルトとキバが二人を指差して叫んだ。
どうやらシカマルとテマリはデートということで、甘栗甘を訪れたようだ。
ナルトとキバはシカマルの肩に腕を回し、小声で話しはじめた。
「シカマルに聞きてー事あんだけどよ。」とキバ。
「あのさあのさ!シカマルはテマリの裸見たことある?」とナルト。
なんという単刀直入。しかし
「な…何言ってやがるテメーら!」
と反論しているのとは裏腹に、シカマルの頬はポッと音を立てて赤く染まった。ナルトとキバは見逃しはしない。
「その反応怪しいってばよシカマル!」
「…え?もしかしてお前テマリさんと…え?」
「ホントか!?ホントなのかシカマル!?」
「だーっ!なんもしてねーよ!」
シカマルはいよいよめんどくさくなってきた。
なんだよ…ただテマリを甘栗食わせに連れてきただけなのにいきなりこんな…。
シカマルはチョウジを見ると、彼はぶんぶんと顔を横に振っていた。
キバはと言うと目をギンギンにして興奮状態。
「シカマル!まあここはやったことにしといてやるからよ「なんでだよ!」…その…それってよ、どんなだった?」
「…知るかよ。」
「えー嘘つくなってばよ!どーせ知ってるくせにい。」
「うるせぇ!何がしてーんだお前らは!」
その時だった。
「!?」
三人に黒い影が覆った。
反射で三人の額から冷や汗が流れる。この場から逃げ出したい思いに駆られた。
しかしそれはできなかった。その人物の恐ろしい眼差しに捕らえられているかのように動けない。まるで蛇に見込まれた蛙だ。
「私の前でそういう話をお前ら…。」
「……テマリ…。」
テマリは顔を赤くして震えていた。自分の、しかもこんな話をされては恥ずかしくて仕方ないのだ。テマリはいつからこの話を聞いていたのだろうか、とシカマルは焦った。
ナルトはテマリがそれ程怖くないのを確認すると、今度はテマリにつっかかった。
しかしそれをすごすご見過ごす訳にはいかないシカマル。ナルトの前に立ちはだかり、テマリを守る体制に入る。
「邪魔だってばよシカマル!」
「だまれ!お前が変な事聞こうとするからだろ!」
一歩たりとも譲らない二人に、キバの仲裁が入った。
「もういーからよ、ナルト!まあ引いてやろうぜ。…ここはシカマルとテマリさんの生ちゅーで許してやろうじゃねーの!」
「…おまっ…キバ!」
「ふ…ふざけるのも大概にしろ!」
「ふーん、いいのか?ま、しなくても別にいいぜ?いいけどよ、そのかわり俺テマリさんからお前らの事根掘り葉掘り聞いてやる!」
これはもうどうする事もできない。ナルトとキバはニヤニヤして、チョウジは「ごめんねシカマル」と言いたげな顔をしている。
シカマルはテマリを見た。テマリは目が合った瞬間目を逸らしたが、どこかキスしてほしそうに見えた。
なぜか痺れてくる手をむず痒く感じ、二人はゆっくりと目を合わせた。
今にも壊れてしまいそうな心臓。半端ない体温。
頭がパンクしそうで何も考えられない。
「………。」
しかし頑張って冷静に考えてみると、だ。今からこいつらの前でキス…?
「「で…できるかあ!」」
里にナルトとキバのブーイングが響いていたという…。
END
やっと完成致しました!丸様リクエストです!
でも…これってギャグ?甘いの…?管理人てきに全然ギャグ甘でない気がしてなりませんが…(^-^;駄文しか生み出せないわ…。丸様批評はなんなりと言ってくださいね笑
丸様大変お待たせ致しました!そしてリクエストありがとうございました!