第十班との合同任務を終えた後、私はいのの誘いで甘栗甘に来ていた。

「ね、ね、テマリさん。」

他愛もない話をしている中、いのはいきなり早口になった。その目はキラキラと輝いていて、なんだかめんどくさく感じた。

「最近シカマルとどうなんですか〜?」

………やっぱりな…。そう来ると思ってたよ。

私はシカマルと付き合っている。しかし、これは二人だけの内緒にしておこうと私はシカマルと約束した。

だから私は、ただ任務で助けてやったり中忍試験の係員で一緒になったりしただけだ、それだけ。と言うことにしている。

自分で言っておいてなんだが、そういうときはものすごく寂しくなる。

「何言ってる。あいつとはなんともない。」

「うっそー!そんな事言ったって騙されませんよ!テマリさんシカマルと会ったとき、すっごい笑顔でしたけど。」

「………。」

私としたことが、無意識のうちに気持ちが表情に出てたなんて。

「でも違う。あいつとはなんともないと言ってるだろう。」

「ホントですか〜?シカマルこの前言ってましたよ。実はテマリと付き合ってるって。」

「はあ!?」

あいつ…!!お前だろ付き合ってる事内緒にしようななんて言った奴は!

いのは嬉しそうに甘栗を頬張っていた。絶対私の反応を見て楽しんでる。

「で、実際どうなんですか?シカマルと付き合ってるんでしょ?」

「……。」

無言でいると、いのはそこにいた店員さんにパフェを頼んだ。

数分後、いのではなく私の前にパフェが来て驚いてしまった。

「私の奢りです。」といのは言った。

「奢り?…いい!いつも奢られてるのにお前にまで奢らせたら…。……あ!」

ヤバい。墓穴掘った。

「え?テマリさん、誰かとよく来るんですか?」

「……。」

「へ〜、やるわねシカマル。」

いのはにまにまと笑い出した。今の私はパフェによって追い詰められている。くそ、これじゃいのの思うつぼだ。

「…お前はどうなんだ。お前も好きな奴くらいいるだろ。」

「(お前"も"って…。)そりゃあいますよ!私サスケくんが大好きでー…あ、でも最近サイくんもいいなって思っててー。」

「そ、そうか。」

「サスケくんもサイくんもかっこいーわ!あの二人どことなく似てません?そうだ聞いてくださいよ!この前サイくんに"美人さん"て言われちゃって!サクラは"ブス"って言われてたのに!」

立場を逆転させようとしたが失敗。いのは自分の恋愛について嬉しそうに話すのだ。

すぐに話は元に戻った。

「やっぱりシカマルから告白したんですか?それともテマリさんから?」

「…さあな。どっちからだろう。」

「私シカマルから告白したと思うわー。あいつ男だ女だうるさいから、俺が告白しないとかっこつかないとか言いそうだし。」

なんて命中率だ。シカマルから告白してきたのも合ってるし、「俺が告白しねーとかっこつかねぇ!」と言っていたのも合ってる。

幼なじみだからか恋愛に興味がある女子だからか。

驚いた顔をすると、いのは「図星?」と聞いてきた。

ここまできたら隠す必要ないな…。私は正直に頷いた。

「やっぱり〜!いいなあ、テマリさん。私も彼氏ほしーなあ。」

「そのサイとやらに告白すればいいだろ?お前は美人だからいけると思うんだがな…。」

「ありがとうございます。…でも私、やっぱりサスケくんが好きだし…。」

そう言っていのは俯いてしまった。里を抜けたサスケを、まだ想っている。こいつもこいつで一途なんだ。

「それより私シカマルとテマリさんの事のほうが気になるのよねー。…どこまで行ったんです?」

「どこまでって……告白された後もなんら変わりないが…。」

「え…えぇ!?何もしてないんですか?」

「あぁ…。」

「こういうとき恥ずかしがんのねー、あいつって…。」

「そうだな…。好きだとか絶対言わないな、あいつは。」

「…あ!そういえば私、シカマルから伝言預かってるんですけど…。」

いのは私に耳を貸してと手招きした。

シカマルからの伝言って言っても、さっき任務で一緒にいたから直接言えばいいのに。変な奴。

「あのですね…」

そう思いながら聞いた伝言の内容に、私は思わず赤面してしまった。

END


那奈様リクエストでした!今回は女の子同士恋ばなという新鮮なお題をいただいたので、楽しかったです!

いのは恋愛事に鋭いってイメージがあります^^そしてテマリさんは恋愛事となると手も足もでない?というようなイメージがあります笑

最後の伝言の内容、皆様ご自由にお想像ください。

那奈様リクエストありがとうございました!

最後まで読んでくださってありがとうございます!
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