その日、いのはイラついていた。

俺は任務が泊まりがけだからだろうかと思った。

この前の任務で荷物が多いのを見て「なんで?」て俺が聞くと、「女の子ってのはいろいろと準備が必要なのよ。」と言っていたのを思い出したから。

だから今日はその「準備」ができなくて不機嫌なんだろうと。

なんかめんどくさいから関わるのは止めよ…。

「どうしたの、いの?」

とそこでいのに話しかけたのがチョウジ。

チョウジも俺同様、いのの様子に気づいているようだ。

いのはちらりと横目でチョウジを見た。少し目つきがきつくねぇか?

「なんかあったの?大丈夫?」

するといのはハァーーと深い溜息をついて、「…えぇ。」とうなずいた。

「力になれることがあったらなんか言ってね。」

そこで会話終了。

しかし、だ。ここで終わればいいものを、チョウジはいのを気にしだしたのだ。

「いの、大丈夫?」「いの、これ食べる?ポテチ。元気出るよ!」「いの、」「いの、」「いの」……………

「いの、元気出してよ!いのの怒った顔梅干しみたいだから僕嫌だよ。」

「あ゙ぁ!?」

ついにいのの怒り爆発。どこから出したのかドスがきいた声が出てきた。

チョウジなりにいのを気遣っていたのだろうに。チョウジの長所が仇になっちまった。

チョウジは青ざめている。この状況、俺がなんとかしなきゃダメだな…。

「お、おい、そんな怒んなよ。チョウジは悪気があって言ったんじゃねーしよ。」

「ああ悪かったわね。そんならチョウジとあっち行っててくんない?私一人になりたいの。」

「あっそ…。」

「………。」

いのはツンと黙り込んでしまった。

めんどくせぇなぁ。

暫く険悪な雰囲気で任務先へ向かった。後ろではアスマがやれやれと言った表情でついて来る。

そこで俺は気づいた。いのの右手がちょうど腹の部分に当てられている事に。

一度思うと俺は気になってしまう。この時の俺は正直言って馬鹿だった。

そのままそっとしときゃ、めんどくさい事にはならなかったのに。

「なあ、いの…。」

「あ?」

まだ怒りが冷めていないらしい。

「腹痛いのか?」

途端、空気が凍る。もっと具体的に言うならば、アスマといのの周りだけ。

と思うと、いのの顔は引き攣らせながらみるみる真っ赤に染まった。アスマは額に手を当てている。
え、俺…やべぇ事言っちまったの…?

「シカマルあんた…」

声震えてる…。

「…?」

「あんた…女の子に向かってなんて事言ってくれんのよ…!この…この…」

「デリカシーなし男!!」

一発、殴られた。




あれから3年経った今でもなんで殴られたのかわからないでいる。いのは結局何で怒ってたんだ。

テマリに聞いてみようか。

そう思って三年前のその出来事を一切の後付け無し言った。話を進めれば進めるほどにテマリの顔が何とも言えない微妙な表情になっていく。

「…て事なんだけどよ、なんでか分かるか?」

「シカマルお前…」

話終えると、テマリはあの時のいのみたいになっていた。

あれ、声震えてる…。

なんだ…?これ、デジャヴだ…。

「このデリカシーなし男があ!!」

こうしてまた訳が分からないまま俺は一発殴られるのだった。

END



これは話:しおのづ、文:管理人で作りました。
実はすこーしだけ書くの手伝ってもらったんですけどね。
立派な文がしおのづが書いてくれた部分です。


皆様分かっていただけたでしょうか?このネタ。
そーです、生理ネタです。だからいのはイライラしてたんです。シカマルもシカマルであなた…笑
書いてて楽しかったです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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