もしもシカマルとサスケが幼なじみだったら(現パロ)!








 朝、8時。
 学校のある平日にしては些か朝寝坊をしてしまったシカマルは携帯で時間を確認した途端に飛び起きた。近い場所にある学校と言えど、15分はかかってしまう。少なくともあと15分で家を出なければならない。すぐに昨日母親が用意しておいたであろう制服に手を伸ばし、早着替えを済ませ窓を開けた。隣接する家の2階にある部屋の窓とシカマルの部屋の窓の位置は見事なまでに一致していた。向こうの窓に手を掛け遠慮なく開けようとするがどうしたことか全く開かない。窓からは隣人がすやすやと眠る様子が見て取れる。シカマルは青筋を立てて窓を叩いた。

「てめーサスケ起きろ! つか鍵閉めてんじゃねー!」

 ダンダンと五月蝿く窓を叩かれ不愉快そうに起き上がったサスケと目が合う。焦点のあっていなかった瞳はシカマルを見た瞬間にいたずらが成功した子供のように輝いた。にやにやと楽しそうにサスケが鍵を外すとシカマルは急いでサスケの部屋に入り込んだ。

「寝坊した。早く着替えてとっとと飯食って行くぞ」
「朝会ったらおはようだろうが横着もんが」
「お前だって挨拶なしだっただろ」
「その前に注意しておこうと思ったんだよ、はいはいおはよう」
「テキトーか。おはよう早く着替えてくれ」

 のろのろと服を脱ぐサスケを手伝って服を半ば強引に脱がし、綺麗にアイロン掛けされたカッターシャツを手渡す。またしてもゆっくりボタンに取り掛かるサスケに後ろから抱え込むようにしてボタンを留めていく。その間にサスケはベルトをつけ終えた。着替え終わったサスケと共にシカマルは自宅に戻りリビングへ向かう。

「おはようシカマル、サスケ君。早く食べなきゃ遅刻するわよ」
「おはようございます」
「親父は?」
「とっくに出たわよ」
「起こしてくれよ!」
「何度も呼んだのに起きないアンタが悪いんでしょう」

 文句を垂れるシカマルを横目にサスケは先に朝食に取り掛かる。手を合わせていただきます、と頭を下げてから味噌汁に口をつける。それを見たシカマルも急いで椅子に座り朝食に手をつけた。

「シカマル! いただきますくらい言いなさい!」
「んあ? あーいたらきまふ」

 一度に多くのものをかき込んだシカマルは聞き取りにくく母親に答える。マナーが悪い、と小言を続ける母親を無視してものの数分で朝食を食べ終えた。サスケも少し遅れて朝食を食べ終わる。

「片付けはするから早く行きなさい。はいいってらっしゃい」

 母親に強引に送り出された二人はバタバタと玄関を出る。まだ歯磨きや鏡が見たいといった気分ではあるが遅刻か否かという瀬戸際な状況を前にしてしまえば後回しにせざるを得ない。靴を履きながら外に出たサスケは前のシカマルを足で小突く。なんだ、と振り返るシカマルに向かってグーを振りかざした。

「じゃーんけーんほい」

 突然のサスケの言葉だが慣れたようなシカマルはグーを出した。サスケはチョキ。すなわちサスケの負け。

「…今日は勝った方が足だよな?」
「聞いてねえよそんなルール」

 可愛らしく首を傾げたサスケに盛大なため息を吐くシカマルだったが仕方なさげに自転車に跨がった。鞄をサスケから受け取り自分のそれと一緒にカゴに放り込む。サスケが荷台に乗ったのを確認してから勢いをつけて漕ぎ出す。通学の自転車役はもはや日課になっている。一応毎日じゃんけんをしているがほとんど意味を為していない。サスケが自転車を漕ぐなんてことは一年に数回あるかないかだ。シカマルの誕生日には、気が向いただのと理由をつけて交代を申し出てくる。しかしシカマルとしてはサスケを乗せて通学という優越感は何にも代えがたい。もちろんその逆、自分が誰かに使われるのをことごとく嫌うサスケに漕がせるという優越感も尋常ならざるものがあるが、この場合周りの視線がいつもと違う意味で気になる。良くも悪くもサスケとシカマルは目立っていた。

「シカマル急げ結構時間やべえ」
「急いでんだろが! これ限界!」
「車に負けんなヘタレ」
「無理だろ!」

 いつも腹に回っているサスケの腕が今日はよりきつく締め付けてくる。だんだんと脇腹を撫で回すようになってきたサスケを制止しようとシカマルか口を開けたが、それはサスケの言葉で言葉を紡ぐことはなかった。心臓の鼓動はいったいどちらのものなのか、あるいはどちらのものでもあるのかもしれない、どくどくと煩い。背中から感じる体温にシカマルは顔が熱くなるのを感じた。

「…サスケ」
「ん」
「遅刻する、かも」
「馬ッ鹿やろ、急げ!」
「お前が、んなこと言うからだろうが」

 振り切るように自転車を漕ぐ足を速め、坂を上りその先しばらく行った場所の学校を目指す。下り坂を勢いよく下りる間、サスケの腕はずっとシカマルに絡んでおり、掴まれたシャツは少しだけ皺になっていた。





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てな感じで幼なじみ現パロでした
ありきたりだが萌える、そんな要素を詰め込んでみました
お隣りとか朝食一緒とか二人乗りとか好きです
サスケが何を囁いたのかはそれぞれによによしながら妄想して下さいww


余談ですが
サスケの両親はご存命でどちらも警察署勤務(キャリア)って感じですかね
イタチは大学生(心理学専攻)orカメラマンがいい
カメラマンだと人物はほとんど撮らないけどサスケだけはって感じでしょうか
シカマル父は商社のわりとお偉いさんかプロ棋士でいいと思います
母は専業主婦、そんな感じです


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