※性描写注意






 現在サスケはシカマルの膝の上に乗り、シカマルと向かい合っていた。対面座位だ〜とへらへら笑ってしまう程度に頭の中が浮かれていた。何を隠そうシカマルと会うのは二ヶ月ぶりのことだった。ついでに補足しておくと突然今日会えることになったわけで、サスケにとってはサプライズだった。何も用意などできていないけれど、シカマルの身体ひとつあればこんなにも満たされた気持ちになるのだから、不思議なものだ。
 シカマルの膝に乗り上げてキスを繰り返す。その先を想像させるような濃厚なキスをして、はあと熱く溜息をついた。けれど、シカマルの顔は浮かない。それはおそらく任務で酷く疲労しているから。疲労を押してでも会いに来てくれたことは嬉しいけれど、一向にその気にならないシカマルにサスケはむくれた。疲れているシカマルを休ませてやりたいとは思うものの、一度火のついた身体を放置できるほどサスケの理性はできあがっていなかった。

「……サスケ」

 溜息交じりに名前を呼ばれる。言いたいことは分かる。そういう気分じゃないと言いたいのだろう。二人でゆっくりしたい。気持ちは分かる。分かるけれど、身体が言うことを聞いてくれない。だからと言ってシカマルを寝かしつけて一人で、なんてシカマルが傍にいるというのに、そんなの虚しすぎて乾いた笑いが洩れた。

「あー……一回だけ、とか……あ、先っちょ! 先っちょだけでいいから!」
「どう考えてもお前のセリフじゃねーだろ……」

 額をぺしんと叩かれてがっくりと項垂れる。そのままシカマルの肩に顔を埋めた。シカマルの指が背中を撫でる。するりと尻に触れるシカマルの指に胸が高鳴った。

「慣らすの大変だろ、急だったし、何もしてないだろうし」
「そ、れは……そうだけど」

 急な訪問だったから、事前に何もしていない。だから簡単に慣らして挿入、というわけにもいかない。ちょっと早めに連絡いれてくれたら、準備できたのに。今言っても仕方のないことだけれど。

「全部オレがするから」
「……駄目、明日な?」
「うう……」

 甘えた声でそう言われると、それに従いたくなる。カッコいいくせに可愛いなんてとんでもない。頭を抱えたい衝動を押さえながら、ふと目線の先にあったシカマルの股間を見て燻る火種がぱちんと音を立てた。

「分かった」

 サスケの言葉に安堵したのか、表情を和らげたシカマルはサスケの頭をゆるりと撫でた。すいと近づいた顔に自然と目蓋が落ちて、啄むようなキスをされる。目を開けた先のシカマルを見て、サスケは唇を開いた。

「じゃあ、舐めていい?」

 わざと甘ったるい声を出して、小首を傾げた。手は、つつとシカマルの下腹部を撫でる。眉を下げ潤んだ瞳で見つめると、シカマルは観念したように頷いた。



 シカマルは好んでサスケにフェラを強いることはなかった。いつも言い出すのはサスケの方から。それは、シカマルが手淫などに比べて特別気持ちの良いものだと思っていなかったから。支配欲は満たされるけれど、別に、気持ち良くない。これがシカマルの本音だった。サスケが下手なわけではない。サスケは毎回わざとシカマルが喜ぶポイントを外していた。焦れたシカマルに頭を固定されて、強引に腰を振って口内を蹂躙されるのがたまらなく好きだったからだ。
 まだ何の兆しも見せていないそれを取り出して、サスケはぱくりと口に含んだ。シカマルを見上げる。なんとも言えない表情をしていた。気にせず、ぺろぺろと舐める。自分にもあるのだから分かることではあるが、これを続けられたところで決定打がない。熱を持ちこそすれ、物足りないに違いない。
 じんわりと熱を持ち始めたそこに機嫌を良くして、口淫を続ける。しばらく続ければ、口を開けたままなのがだるくなってくるが、それも興奮材料になった。
 戯れに先端を刺激すると、シカマルが息を詰めるのが分かる。このまま刺激をすれば数分で熱を吐きだすのだろうけれど、それでは意味がない。すっかり熱を持っている自らの昂りを持て余しつつ、温い刺激を続けた。
 シカマルの眉間に皺が寄る。かなり長い時間銜えたままでいるから、いい加減もどかしいらしい。短く息を吐いたシカマルの手が伸びてくる。期待でゾクゾクと痺れが走った。
 がしと頭を掴まれる。髪がシカマルの指に絡まる。引き攣られるような痛みに気を取られる間もなく、腰を打ちつけられて口に含んでいたものが喉の奥にぶつかる。せり上がる嘔吐感で視界が滲む。絶え間なく揺さぶられ、呼吸もままならない。上顎や喉の奥にシカマルの昂りが触れる度触られてもいないのに自らの熱がじわりじわりと溢れそうになる。歪んだ視界の中でシカマルを見上げると、シカマルの手が後頭部に回った。口内で昂ったそれがびくびくと跳ねた。それにあてられるように、サスケも昂りを増していった。
 三度、一際強く喉の奥に熱が打ちつけられた。頭がぐらぐらする。酸素を欲しがる身体が震える。後頭部を掴むシカマルの手に力がこもった。髪が引かれ、頭皮が引き攣るけれど痛みは感じない。根元まで押し込まれた昂りで口の中がいっぱいになる。シカマルは喉の奥に叩きつけるように熱を吐き出した。呼吸困難と嘔吐感に苛まれる身体とは裏腹に全身を駆け巡る快感に焦点の合わない瞳から涙がこぼれ落ちた。駆け抜けた射精感にびくんと身体を揺らす。サスケは熱を吐き出すのとほぼ同時に、喉に引っかかるシカマルの吐き出した熱を飲み下した。
 シカマルはサスケの頭を押して、サスケを解放した。酸素を欲する身体が途端に咳き込んだ。涙を滲ませながら嗚咽とともに咳き込むサスケを見てシカマルは困ったように眉を下げた。

「こうなるから、フェラさせたくねーんだよ」

 ゴホゴホと咳が止まらないサスケはそれに首を振る。たとえ返事ができたとしても、こうなりたいからフェラがしたいなどとは、口が裂けても言えないのだけれど。



あなたで満たして



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