※性描写注意






 ぱさり、と黒く柔らかい髪がシーツに落ちる音がした。その他にも、耳に届く音は様々だ。シーツを蹴る音。荒い息遣い。時折洩れる掠れた声。繋がった部分からは水っぽい音と、肌と肌がぶつかる音。のけ反らせた喉に噛みつくと、サスケは小さく喘いで、非難めいた視線を浴びせてきた。

「んっ……も、シカマル……」

 加えて、咎めるように名前を呼ばれてつい口元が綻んだ。名前を呼んだ唇を柔らかく食むと誘い込むように唇が薄く開かれ、あっという間に熱い舌に絡め取られた。歯列をなぞって舌を噛んで、ねっとりと舌を絡めるとサスケから甘い吐息が洩れる。潤んだ瞳からつつ、と落ちて行った涙を指先で拭って身体を起こし、その指でサスケの頬をゆるゆると撫でる。
 視線だけでどうした、と問うサスケの唇を人差し指で撫で、ず、とサスケのナカに収めていた熱を抜いた。小さい悲鳴を上げたサスケは恨めしそうにオレを見たあと首を傾げた。

「……やめる、の、か?」
「いや」

 少し悲しげに眉を寄せたサスケの腕を取ってぐいと引く。それに合わせてゆっくりと身体を起こしたサスケは顎を伝った汗を拭って、深く息をついた。頬に張り付いた髪を払って息を整えている様子を見ながら掴んだままの腕を再び引いてみる。ん、と疑問を投げて寄越したサスケに笑って見せた。

「乗ってもらおうかと思って」
「乗、っ……」
「嫌か?」
「い、やじゃ……ねえけど……」

 今更になって恥ずかしがる素振りを見せるサスケに思わずキスしてしまいたくなる。が、ここは耐えてサスケの隣に横になった。オレの方を少し困ったような顔をしたサスケは一瞬視線を彷徨わせたあと先ほどまで自分のナカを掻き回していたオレを見て一段と顔を赤くした。
 意を決したのか深呼吸をしたサスケはがばっとオレを跨いだ。太腿に座ったサスケはじっとオレの昂りを見つめている。そうも注目されると少しばかり気恥ずかしい。

「できるか?」
「できるっ」

 むっとした表情を見せるサスケにふふ、と笑みがこぼれる。笑われたのが気に食わなかったのかサスケはぎゅう、と昂ったそこを握ってきて、悲鳴が口をついて出て行きそうになった。どうにか堪えたが、とんでもないことをしてくれる。じと目でサスケを見つめると握ったままの手に視線を落として、ごめん、と小さく返してきた。
 そのままサスケを見ていると、ふうと息をついて腰を上げた。昂ったそこを確認するようにそっと指で触れ、少し腰を落とす。ひた、と触れたそこは当然のように柔らかく、今すぐにでも飲み込まれてしまいそうだった。サスケは目を潤ませてこちらをちら、と見たあと、そろそろと腰を落として行った。

「んっ……ふ、ぅん」

 目を閉じて最後まで腰を落としたサスケは熱い息を吐いてうっとりとした表情を浮かべた。それを見上げているこちらからしてみると、それはもういやらしくて、今すぐにでも突き上げてしまいたい気になる。けれど、それではわざわざ騎乗位に変えた意味がない。

「サスケがイイように動いていいんだぜ」

 そう言うと、サスケは目を細めてオレの腹の上に手を置いた。は、と吐かれた息は震えていた。ゆる、とサスケの腰が動く。また吐かれた息は熱っぽく湿り気を帯びていた。緩やかな動きを続けるサスケは、それなりの快感を得ているようだったが少し物足りなさそうにオレに視線を寄越した。それを真っ直ぐ見つめ返すだけに留めると、サスケは眉を寄せ、目を閉じて自分の快感を追うことに専念することにしたらしい。控えめな動きから一転、もはや自分でも心得たイイところを目がけて腰を振り始めた。

「んっ、あ、……ッあ、はぁっん、んっ」

 サスケの腰使いは確かに自分の快楽を追うものではあったけれど、感じ入ったナカはオレをどんどんと飲み込もうと動いてオレもかなり、気持ち良い。そしてオレの上で腰を振るサスケは想像していたよりも遥かに淫猥で、それもオレを高める要因になった。元々十分に昂っていたこともあって、そろそろオレにも限界が見えてくる。

「あ、あ、……んっ、……っぁ、シカ、ま……るっ……うご、いてっ」

 途切れ途切れに、甘い声で強請られてしまえば、動かないわけにいかない。その細腰を掴んで揺さぶると上でサスケが頭を振って喘いだ。手をついているだけでは身体が支えられなくなったのか倒れ込んできたサスケを抱き留めるように身体を起こして突き上げるとサスケが背をしならせた。

「っひ、あぁああっ」
「……っん」

 絡みついてくるナカに搾り取られるような錯覚を起こして、サスケの後を追うように達した。荒い呼吸を繰り返す唇に柔らかく口付けると、ふっとサスケが笑みをこぼす。涙に濡れた目元にキスをして、汗でしっとりとした身体を抱きしめた。





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