29.



[丸井視点]







緒橙「まさかもう一人が景ちゃんとはねぇ!」







ジロ君と緒橙とカフェに入ってから
割とすぐに氷帝の跡部が姿を現した


跡部から話を聞いてみると
このカフェは経営下の様で店内の様子を
見るついでに来てみたという。







芥川「これだけ賑わってるし
良かったね!あとべ!」



跡部「フッ、そうみたいだな」








店には男性客もチラホラと座っており
コンセプト通りと跡部は満足のいく顔をしている














緒橙「あ、そうそう。
景ちゃん色々とありがとね」



跡部「あーん?」






緒橙「ほら、その色々あったから…
お礼言うの遅くなっちゃったけど」



跡部「あぁ…お前はもう大丈夫か?」



緒橙「うん、心配無用でござんす!」














きっと忍足の件だ。

クリスマスパーティーでの緒橙を見る限り
完全には吹っ切ってはいなさそうだったが
周りにこれ以上きっと
迷惑をかけたくないのだろう













芥川「そういえば立海は丸井くんたち含めて
皆テニス部に復帰したんだよね?」



丸井「あぁ、最後に仁王も戻ってきたし
ちゃーんと猛練習中だぜぃ!」



芥川「わーい!立海と当たるの楽しみだCー!」

















女遊びを辞めてから約半年。


連絡先は全て消したし、誘いも全て断っているが
未だ女子達からの誘いメールは頻繁に届いてる


今までの俺ならきっと軽い気持ちで
返信していたと思う。けれども。


今はそんな気すら起きず
朝練から真面目に参加し
自主練も重ねて少しずつ中学時の感覚、
いやそれ以上の実力も付けている。


昔果たせなかった全国大会優勝も
勿論目標だがやっぱり俺は…

今はただ、
桃子に俺の姿を見て欲しい、。

















跡部「……悪ぃが俺様はこれで失礼する」



緒橙「え?どうしたの?早くない?」



芥川「なになに?急ぎなのー?」







偶然視界に入った自身の携帯を見た跡部は
目を大きく開いたのち立ち上がる


その様子を見て緒橙もジロ君も、
勿論俺を含め不思議な顔をした。











跡部「あぁ、急用だ。丸井、緒橙またな」







他校の俺等がテニスの会話をしているなんて
部長の跡部からしてみたら絶好の
偵察タイミングだと思ったけれど、

そんなのも気に止める様子もなく
椅子に掛けていたブレザーに素早く腕を通し
店を出ていった。













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